内容説明
近世奇譚・珍談の宝庫!慶長~享和(1600頃―1803)江戸期の資料による超科学的な奇現象、自然の奇異、狐狸譚、エロ・グロ、幽霊話117。
目次
駿府の城に現れた怪奇な不老仙薬
長さ二十丈あまりある陰毛が流れつく
磔姿そのままの形をした人面の浄元虫
犬の親をもった不思議な禅宗和尚
犬に生まれ変わってまで継子いじめの因縁奇話
桐の木に冬瓜のような果がなって鼠が出る
自然と屋内に湧出した松前大福米の奇異
台所から土が湧出し天井から粉土が降る
信州駒ケ岳で馬が雲に乗って姿を消す
房州の海に怪光を放った七、八間の大鮑〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mimm
2
江戸時代にあった(らしい)不可思議な出来事を集めた本の再刊版。 現代向けに読みやすくしてくれているのがありがたいです。(なにせ昭和7年刊) しかも猟奇も、今の科学で説明がつきそうなものや、現代でもあった「口裂け女」系の不可思議もの。もちろん、説明できない不思議もたくさんありますが。 伝説や民話の断片の、おいしいところだけ摘んだ感じで、大変面白く読み終えた一冊でした。シリーズで読みたい本です。2015/02/11
くるるる
1
猟奇という言葉からイメエジする血なまぐさいものばかりではなく、珍奇、怪奇な現象を幅広く扱っていたため、人肉食や殺人などは少なかった。中でも妖怪の仕業などに還元していない(できていない?)謎の事件などは面白く、数々の女が男になった話やUFOの漂着としか思えない話が印象に残った。2011/08/30
adelita
0
ジャケ買い的に借りてきたのですが、思いの外古い本でびっくり。元々は昭和7年の発行だそう。序文が素敵。江戸時代の不可思議な出来事がいっぱいでした。一話が短く、言葉もかなり現代的なので読みやすかったです。2013/05/18