出版社内容情報
井伊直弼は、「一期一会」という言葉を残した一流の茶人でもあった。茶人・井伊直弼に光をあて、彼の確立した茶の湯を探る評論集。
内容説明
幕末を駆け抜けた大老井伊直弼は、独自の茶の湯を確立した稀代の茶人でもあった―。一流の研究者たちが、さまざまな角度から井伊直弼の茶の湯を追究する、画期的評論集。
目次
井伊直弼の生涯と茶の湯
第1部 「茶湯一会集」の世界(井伊直弼の茶の湯観―「茶湯一会集」の成立過程;「茶湯一会集」にみる後入の合図―「東都茶会記」と千家の仕方;「茶湯一会集」の茶事作法;懐石と真式懐石)
第2部 茶会のすがたと人びと(井伊直弼の茶会;井伊直弼ゆかりの茶道具;奥女中の茶の湯―女性との茶会を通してみた直弼の茶の湯観;井伊直弼の茶の湯の師匠)
著者等紹介
熊倉功夫[クマクライサオ]
1943年生まれ。国立民族学博物館名誉教授。博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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umeko
11
「一期一会」が、井伊直弼が書いた「茶湯一会集」から生まれたとは知らなかった。あのイメージの悪い直弼が目指した茶の湯は、意外にもストイックだったし、茶の湯に大きく貢献していたことに驚いた。2014/09/11
55くまごろう
0
井伊直弼の茶の湯について、様々な視点からそれぞれの分野の専門家が書いた論考集。茶の湯の世界では巨人とされる井伊直弼であるが、どうしても「一期一会」「独座観念」に終わってしまうきらいがあり、より広い視野で直弼と茶の湯の関係を考えるのに役立つ書であった。直弼と石州流とのかかわり、茶の湯を通じた直弼の人脈の範囲、茶道具に対する考え方など、理解を深めることができた。また、埋木舎で過ごした庶子の時代と、世子・藩主・大老となった時代とでの世界の拡がりの違いが感じられた。2020/02/04
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