短篇小説の快楽<br> 最後に鴉がやってくる

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短篇小説の快楽
最後に鴉がやってくる

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  • サイズ B6判/ページ数 336p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784336048431
  • NDC分類 973
  • Cコード C0097

出版社内容情報

自身のパルチザン体験や故郷の生活風景を描いた〈文学の魔術師〉カルヴィーノの輝かしき原点となる第一短篇集、待望の刊行!死にゆく者はあらゆる種類の鳥が飛ぶのを見るだろう――
自身のパルチザン体験や故郷の生活風景を描いた
〈文学の魔術師〉カルヴィーノの輝かしき原点となる
第一短篇集、待望の刊行!

森に現れた少年は射撃の腕をかわれてパルチザン部隊と行動をともにする。やがて、遭遇した敵の兵士に対して少年の銃が狙いを定めたのは……緊張感漂う表題作をはじめ、カルヴィーノ自身のパルチザン体験を元に描いたレジスタンスの物語、少年期をすごした故郷の風景を反映した農民や子供たちの生活スケッチ、戦後の都会を舞台にしたコミカルなピカレスクロマン、軽妙な語り口の風刺的寓話など全23篇を収録。現代イタリア文学を代表する〈文学の魔術師〉が、その若き日々にあふれでる創作意欲を自由かつ繊細に結晶化した、瑞々しい傑作揃いの初期短篇コレクション! シリーズ〈短篇小説の快楽〉全5巻完結


ある日の午後、アダムが
裸の枝に訪れた夜明け
父から子へ
荒れ地の男 
地主の目
なまくら息子たち
羊飼いとの昼食
バニャスコ兄弟
養蜂箱のある家
血とおなじもの 
ベーヴェラ村の飢え
司令部へ
最後に鴉がやってくる
三人のうち一人はまだ生きている
地雷原
食堂で見かけた男女
ドルと年増の娼婦たち
犬のように眠る 
十一月の願いごと
裁判官の絞首刑 
海に機雷を仕掛けたのは誰? 
工場のめんどり 
計理課の夜 

解説 イタロ・カルヴィーノの出発地――リヴィエラとパルチザンの森  堤康徳
訳者あとがき

イタロ・カルヴィーノ[イタロカルヴィーノ]
著・文・その他

関口英子[セキグチエイコ]
翻訳

内容説明

森に現れた少年は射撃の腕をかわれてパルチザン部隊と行動をともにする。やがて、遭遇した敵の兵士に対して少年の銃が狙いを定めたのは…緊張感漂う表題作をはじめ、カルヴィーノ自身のパルチザン体験を元に描いたレジスタンスの物語、少年期をすごした故郷の風景を反映した農民や子供たちの生活スケッチ、戦後の都会を舞台にしたコミカルなピカレスクロマン、軽妙な語り口の風刺的寓話など全23篇を収録。現代イタリア文学を代表する“文学の魔術師”が、その若き日々にあふれでる創作意欲を自由かつ繊細に結晶化した、瑞々しい傑作揃いの初期短篇コレクション。

著者等紹介

カルヴィーノ,イタロ[カルヴィーノ,イタロ] [Calvino,Italo]
1923年キューバ生まれ。両親とともにイタリアに戻り、トリノ大学農学部に入学。44年、反ファシズム運動に参加、パルチザンとなる。47年、その体験を元に長篇『くもの巣の小道』を発表、ネオリアリズモ文学の傑作と称される。その前後から雑誌・機関誌に短篇を執筆し、49年短篇集『最後に鴉がやってくる』を刊行。85年没

関口英子[セキグチエイコ]
埼玉県生まれ。大阪外国語大学イタリア語学科卒業。イタリア文学翻訳家。ルイジ・ピランデッロ『月を見つけたチャウラ ピランデッロ短篇集』(光文社古典新訳文庫)で、第一回須賀敦子翻訳賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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かわうそ

30
農村の若者がグダグダ暮らす姿を描いた作品から、戦争をテーマに死の気配を背景にした幻想性が立ち現われてくる作品までバラエティ豊かでどれも非常に面白く読んだ。特にお気に入りは、表題作と「ドルと年増の娼婦たち」「工場のめんどり」あたり。2018/07/22

M H

27
カルヴィーノ初読みがこの初期短編集で良かったのか。どうも後の作風とは違うらしい。23編収録されているが、動物、農村生活、パルチザン体験などが題材になっている。このあたりは解説に詳しく、とても助かった。全てではないにしても、表題作で射撃の腕を買われた少年が取る行動などある種の酷薄さが印象的。突然奇矯な人物が出現して戸惑うことも。いずれにしてもカルヴィーノはまた読みたい。2022/06/08

かもめ通信

22
カルヴィーノの初期の作品を集めた第一短編集をもとに、既に日本で翻訳紹介されている作品を省いたり、少し後に発表された作品を加えたりした短編集。ひと言で言うと「そこはやっぱりカルヴィーノ」という感じ?!とにもかくにも余韻の持たせ方がうまい。2018/05/21

きゅー

12
カルヴィーノの最初期の作品群となる23篇の物語が収録されている。彼自身まだ20代の半ばであり、ネオリアリズモ色が色濃く、私たちが一般的にカルヴィーノに求めるような軽やかで理知的な作風では全くない。写実的かつ反ファシズム的なこれらの物語では、第二次世界大戦におけるパルチザン活動が何度も描写され、彼自身の戦争体験が強く反映されている。カルヴィーノでなければ満足して読み進められる物語なのだが、それは難しい。カルヴィーノはあまりにカルヴィーノなのだから。2018/10/04

maimai

8
イタロ・カルヴィーノの第一短編集(といっても、日本での訳出状況を考慮して取捨選択したオリジナル編集のようだが)。とても素晴らしい。一作ごとに作風がめくるめく変化を見せるその後の作品群とは違い、同じような傾向の作品が続くけれど、次から次へと読んでいきたくなる面白さに満ちている。まさに珠玉。2018/04/22

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