内容説明
カート・ヴォネガット、P・K・ディックの名訳で知られるSF翻訳家、浅倉久志初のエッセイ集成。悩み多き翻訳についてのコラム、お気に入りのSF作家を語る訳者あとがき・解説、ユーモアSF論考の他、厖大な翻訳リストも収録。
目次
翻訳とSF
ぼくの好きなSF作家たち
ディックとヴォネガット
ユーモアSFに魅せられて
SFスキャナー
アンケートとアンソロジー、映画、思い出の人びと
著者等紹介
浅倉久志[アサクラヒサシ]
1930年大阪市生まれ。大阪外事専門学校(現在の大阪外国語大学)英米科卒業。十数年の会社員生活を経て、1962年からSFの翻訳をはじめ、現在に至る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けいちゃっぷ
10
2010年の2月に亡くなられた名翻訳家である浅倉久志さんのエッセイ集。 カンガルーとは、アメリカのペーパーバックに描かれていたマークのことらしい。 どの出版社のかは分からないが。 以前の創元推理文庫にもカテゴリー別のマークがあったのを思い出す。 エッセイやあとがきも楽しく面白かったけど、なんといっても圧巻は巻末の翻訳リスト。 思わず見入ってしまった。 リストの完全版も欲しいところよのお。 387ページ 2013/08/29
Hotspur
5
著名SF翻訳家のエッセイ集。弊方それほどSFを読んでいるわけでもなく、本書で取り上げられているのも不案内の作家が多いが、それでも著者の溢れるような愛情がエッセイの随所に滲み出ており、この舌なめずりするような筆致は読んでいて実に愉しい気分になる。これは植草甚一のエッセイと共通した要素である。白眉は、フィリップ・K・ディックとカート・ヴォネガットについて書かれた章。それにしても、未読SFのあらすじは読んでもさっぱり頭に入ってこないなあ。巻末の翻訳リストは圧巻。2022/02/19
zeroset
5
まとめて読んで、改めてその存在の大きさを実感。品の良い文章に人柄が偲ばれる。2010/03/03
青緑
3
大好きな翻訳家、浅倉さんの書いた文章がまとめて読める素敵な本。2016/07/22
オカダサチコ
3
SF作品を読んでいて、読みやすかったなーと思ったら大抵浅倉久志さんの訳であった。この本を読んでそのわけがちょっとだけわかった気がする。まだ読んでいない訳書をこれから読んでいきたい。2014/10/18