内容説明
「隠喩」「擬人法」「撞着語法」「皮肉法」など、実際に日本語を読み、書くに際して役立つと思われる、必須の八十七項目を収録した。「引く」辞典である以上に「読む」辞典である本書では、日本語修辞の豊麗な可能性を感じてもらうべく、古典から現代の若い作家まで、豊富な「文例」を集めた。「文例」の採択にあたっては、修辞的な観点ばかりでなく、内容的に味わい深いものを心がけ、本書をして日本語の「豊かな美しさ」を伝える「文章宝鑑」たらしめることを目指した。
目次
暗示的看過法
引喩
隠喩
隠喩連鎖法
引用法
迂言法
詠嘆法
婉曲法
縁語
音彩法〔ほか〕
著者等紹介
野内良三[ノウチリョウゾウ]
1944年東京に生まれる。東京教育大学文学部仏文科卒。同大学院文学研究科博士課程中退。静岡女子大学助教授、高知大学教授を経て、関西外国語大学教授
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感想・レビュー
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ぺんた
1
日本語の言葉の彩が並べられ解説されている。「日本語のレトリック」と比べると少々難しい記述であるものの、数はこちらの方が圧倒的に多い。知らないものもかなり学ぶことができたが、古典よりも現代の文章からより多く例文を選んであればさらに実用度は高まると思った。それでも現代の例文がないわけではないので、文彩毎に自分で例文を作って練習することはできると思う。やってみます。2013/10/16
wanted-wombat
1
日本語限定レトリック辞典。著者が例として挙げる文章は、いわゆる名文ばかりなのでそこだけ読んでいるだけでも面白い。名称は覚える必要がないが、この文章はこういう修辞的用法が用いられていると知るだけでも、文章は、そして読解力というものは違ってくるのだろうなと感じた。2013/06/23
ssbird
0
万葉集からサド侯爵夫人まで、編者厳選の様々な例文を用いてレトリックを解説してくれる読み物。分かりやすくて勉強になるのはもちろん、「見てみて、これも綺麗でしょ。これも。これも。」と、きらきらした瞳で、お気に入りの小石を次々披露する少年をみるようで、なんだろう。愛らしい。2012/12/14
kinaba
0
辞典と言うよりは例示集に近い印象を受けた。よく似た文彩を別に分類するときにそれを分ける心のようなものがもう少し明確になってるとよかったなーと2009/08/09