内容説明
下着デザイナーとしての半生を綴りながら、下着による性の解放運動のマニフェストにもなっている傑作自伝『わたしは驢馬に乗って下着をうりにゆきたい』と、幼年期を回想しながら愛する人々への思い出を語る最後のエッセイ集『わたしのものよ』を収録。
目次
わたしは驢馬に乗って下着をうりにゆきたい(夕刊紙のかけ出し記者;抵抗と希望と情熱;おい、本気か?;のら犬たちが呼んでいる ほか)
わたしのものよ(金沢編;京城編;終焉)
著者等紹介
鴨居羊子[カモイヨウコ]
1925~1991。大阪府豊中市生まれ。新聞記者を経て「ものをつくる仕事をしたい」と独立、下着デザイナーとなる。戦後、白い質素な下着しかなかった時代に、今では当たり前のものになったカラフルなスリップ、セクシーなガーターベルトなどチャーミングな下着を売り出し、一躍時代の寵児となる。デザイナー、画家として活躍する傍ら、文筆活動にも才能を発揮し、軽妙にして幻想的、快活にして味わい深い、美しく魅力的なエッセイを数多くのこしている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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あ げ こ
11
未読の『わたしのものよ』だけまず読む。父母、兄、弟、近所の人、友だち、親戚。犬の与八だの弥吉だのチビだの烏のカァー吉だの。動物も人もたくさんいてまことに楽しい。みなおのおの違った鮮やかさがあって、奔放さがあって、鴨居羊子がそれをよく見ていて楽しい。特に自分との違いをよく見ていて、反発したり贔屓したりしているのも楽しい。人も動物も愛していて楽しい。与八にしがみついてしゃべってやったとか、ときに犬は私の乳母のようだとか、まことに楽しい。あの弟、もいっぺん生き返って、小っちゃくなれ!だとか、まことにたまらない。2018/04/13
もりけい
4
戦後直後の垢抜けない下着をがまんして着続けるのではなく、毎日キラキラした下着で気持ちよく過ごすいう発想は、現代でもそのまま通用する先見的な発想であり、行動を起こして世の中を変えてしまったバイタリティあふれる著者のエッセイ。2015/04/25
貧家ピー
3
新聞記者から下着デザイナー・販売会社の社長となった鴨居羊子コレクション3冊の内の1巻目、 「わたしは驢馬に乗って下着をうりにゆきたい」 「わたしのものよ」の2作品。 下着デザイナーとなる半生を描いた「わたしは驢馬に乗って下着をうりにゆきたい」(1973年刊)が、この時代に読むと面白い。女性の下着・新聞・百貨店など今なら当たり前の状況を、見通している視点が鮮やか。天才の一人なのだろう。2018/08/29
れい
3
何と言う勢いのあるエッセイだろう。そして、著者に「なれあい」や「マンネリ」がなく、「何々はこうでなければ」という思い込みがないので、何故か私は「あれもこれも興味があり、やりたいと思っているぴちぴちした女の子がいるようだなぁ」と思った。また、全体的に言葉の使い方が巧みで、比喩表現も「すごいな」と思うものがいくつもあった。また時間を置いて読み返したい。2011/12/01
takao
2
ふむ2025/01/12