内容説明
あるときは般若苑で優雅にシラク大統領と会食し、あるときはメキシコでオクタビオ・パスと画廊めぐり、あるときはニューヨークで国際シンポジウムに参加し、あるときはパリの劇場で早池峰神楽を解説する。あるときはインドネシア・チモール島に調査に訪れ、あるときはブダの美術館でシューマンの曲に耳傾ける。あるときはU・エーコを連れて錦糸町で河内音頭を踊り、そしてまたあるときは…1980年代以降に発表された単行本未収録の文章を中心に約3,000枚を精選。「山口昌男」という大迷宮をより広い文脈で読み解くための詳細な脚注を付す。
目次
第1部 知の来歴を語る
第2部 ワンダリング・スカラー
第3部 人と出会う・本と出会う
第4部 眼の悦楽―アート・コミック・アニメ
第5部 笑いの博物誌
番外 気配の人類学
第6部 飛ぶ教室
著者等紹介
山口昌男[ヤマグチマサオ]
文化人類学者。1931(昭和6)年北海道網走生まれ。1955(昭和30)年東京大学文学部国史学科卒業。1960(昭和35)年東京都立大学大学院社会人類学修士課程修了。東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所教授、同研究所所長、静岡県立大学大学院国際関係学研究科教授、札幌大学文化学部学部長、同大学学長を歴任。パリ大学ナンテール分校客員教授、メキシコ大学院大学客員教授など海外教授歴も多い。道化・トリックスターの分析や「中心と周縁」理論などを通じてさまざまな知の分野に刺激を与え続けてきた。近代日本の敗者たちに着目した労作『「敗者」の精神史』(岩波書店)では第23回大仏次郎賞を受賞
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