内容説明
発明と読書と秘密文書作成に明け暮れた、恐るべき子供時代の記憶と、SF・構造主義・文学等をめぐる大胆かつ精密な議論&エッセイ。作家レム誕生前史とその思考を示す、レム・ワールドのふたつの極地。
目次
高い城
文学エッセイ(偶然と秩序の間で―自伝;SFの構造分析;メタファンタジア―あるいは未だ見ぬSFのかたち;ツヴェタン・トドロフの幻想的な文学理論;ドストエフスキーについて遠慮なく;H.G.ウェルズ『宇宙戦争』論;対立物の統一―ホルヘ・ルイス・ボルヘスの散文;ロリータ、あるいはスタヴローギンとベアトリーチェ;A&B.ストルガツキー『ストーカー』論;フィリップ・K.ディック―にせ者たちに取り巻かれた幻視者)
著者等紹介
レム,スタニスワフ[レム,スタニスワフ][Lem,Stanislaw]
1921年、旧ポーランド領ルヴフ(現在ウクライナ領)に生まれる。クラクフのヤギェウォ大学で医学を学び、在学中から雑誌に詩や小説を発表し始め、1950年に長篇『失われざる時』三部作を完成(第一部が『変身病棟』)。地球外生命体とのコンタクトを描いた三大長篇『エデン』『ソラリス』『砂漠の惑星』のほか、『金星応答なし』『泰平ヨンの航星日記』『宇宙創世記ロボットの旅』など、多くのSF作品を発表。同時に、サイバネティクスをテーマとした『対話』や、人類の科学技術の未来を論じた『技術大全』、自然科学の理論を適用した経験論的文学論『偶然の哲学』といった理論的大著を発表し、70年には現代SFの全二冊の研究書『SFと未来学』を完成。70年代以降は『完全な真空』『虚数』『挑発』といったメタフィクショナルな作品や文学評論のほか、『泰平ヨンの未来学会議』『泰平ヨンの現場検証』『フィアスコ(大失敗)』などを発表。小説から離れた現在も、独自の視点から科学・文明を分析する批評で健筆をふるい、中欧の小都市からめったに外に出ることなく人類と宇宙の未来を考察し続ける「クラクフの賢人」として知られている
沼野充義[ヌマノミツヨシ]
1954年、東京生まれ。東京大学卒、ハーバード大学スラヴ語学文学科に学ぶ。ワルシャワ大学講師を経て、現在、東京大学教授
巽孝之[タツミタカユキ]
1955年、東京生まれ。上智大学卒、コーネル大学英文学科博士課程修了。現在、慶応義塾大学文学部教授
芝田文乃[シバタアヤノ]
1964年、神奈川生まれ。筑波大学芸術専門学群卒業。フリーのエディトリアル・デザイナー、写真家。1992年より東京、クラクフなどで写真展開催
加藤有子[カトウアリコ]
1975年、秋田生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程在学中(表象文化論、ポーランド文学)。ポーランド、ワルシャワ大学に留学
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
三柴ゆよし
∃.狂茶党
ふみふみ
プラス3
roughfractus02
-
- 和書
- M&Aと株価