感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
33
足が一本しかなければつかないような蹄の足跡を追っていたら死体が発見された。村での傍迷惑過ぎる信仰心の篤さによる「悪魔」という存在の提示に困惑するスミス警部の捜査の行方は如何に?スミス警部が「お前も心霊次元の立場か!?」と叫ぶあたりで「ブルータス、汝もか!?」という名台詞と重なりました(笑)そしてジョン・ディクソン・カーの怪奇性とエドマンド・クリスピンのユーモアの要素が稀有な化学反応を引き起こしたかのような作品に私は度肝を抜かれました。作者は第二次世界大戦で従軍していたことしか経歴が分からない人。何者なの?2013/05/27
ホームズ
26
雪にの上に残った悪魔の足跡。吊るされた死体など色んな謎はいい感じでした(笑)トリックとしては少し突っ込みどころもありますが良いですね(笑)村全体の状況が少し分かりにくい感じがあったので見取り図のような物は欲しかったかな~。それでもこういった感じの作品はやはり読んでいて楽しめるな~(笑)2013/06/06
みっぴー
18
のめり込みました。前書きの時点でこれは絶対面白いと思いましたが、飲食忘れて夢中で読みました!村につけられた蹄の跡…何もない所からいきなり始まっていきなり途絶えて…家の屋根でぐるぐる回ったり故人の回りをぐるぐる回ったり、村で起きた二件の殺人事件は蹄を持つ魔王の仕業に違いないと、村は大混乱。真相解明まで少しも飽きることはなかったです。アッと驚くトリックではありませんが、見事に盲点を突かれました。この作者、謎に包まれているらしく日本語訳はこの一冊のみ…他の作品も翻訳で出ないかなあ~2015/07/16
紅はこべ
12
雪の上の足跡一点に焦点を絞ったミステリ。キャラも文体も淡々としていて、盛り上がりに欠ける。怪奇趣味と本格ミステリの融合という点では、カーの方が断然上。2009/06/14
かりさ
8
「1855年2月8日、悪魔が英国に降り立った」…まえがきからぐいぐい引き込まれます。怪奇趣味の不可能犯罪をどう解決させるのか、その過程がそれはもう楽しくていや~これはすごく好き。一面の雪野原に突如現れ、唐突に途絶える蹄の足跡。野原の大木にぶら下がる男の死体、昔魔女が縛り首になったという伝説のオークの木、それは悪魔の再来か。(ちょいと強引ながらも)トリックを成立させてみせるさまはお見事。怪奇現象研究家というミス・フォーブズの存在がかなりの魅力を放っています。想像以上に面白く堪能しました。他の作品も邦訳を!2010/01/31