感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紅はこべ
12
英国田舎の大邸宅に集まる風変わりな人々。本格ミステリとしての道具立ては揃っているが、なかなか肝心要の事件が起きない。悪意あるイタズラみたいな小事件は続発するが、殺人事件はなかなか起きず。読者として、不謹慎ながら、早く誰か殺されないかと、心待ちにしてしまった。不思議な現象にも、きっちり論理的な解釈をつけている。登場人物に作家や学者が多いので、セリフに文学作品からの引用も多く、哲学論や文学論が頻りに交わされ、蘊蓄系ミステリが好きな人には向いている。2007/12/27
のざきち
10
大衆の絶大な支持を得ている想像上の義賊兼探偵「スパイダー」。その生誕二十周年記念パーティーでまるで「スパイダー」が物語から抜け出してきたかのように次々と起こる悪質なイタズラ。やがて殺人予告まで届きパーティー参加者の不安は更に高まり…500ページ超の、ファルスミステリ感溢れるイネス節が大炸裂する本書ではありますが、作風が合わない方には面白さがサッパリ分からないと思うので読み手を選ぶ作品だと思います。自分も面白いようなそうでないような、微妙な読後感でした。2020/08/13
timeturner
6
えーと、これは、ミステリーじゃなくて……悪ふざけ? 英国の歴史的な屋敷や庭や古物に興味がある人にはたまらなく面白いけど、ミステリーファンは怒るんじゃないかねえ。2016/12/10
tomo6980
2
作中の作家が言ってますな「わたしの手掛けているような小説では、意味不明な会話がだらだら続くことほど退屈なものはない。これは礼儀の問題だと思います。読者の存在を無視して、登場人物に―たとえ口論の場面でさえ―むやみに謎めいた会話をさせるのは、極めて無粋な行為です」ってどの口が言っているんだか。全編、謎めいた会話だらけ。こんなに紳士淑女ばかり出ているのにまったく、礼儀がなっていない。韜晦に次ぐ倒壊(誤字だが間違いではない)を経るうちに「何やってるんだか」という読者にとっての理想郷が現れる(かも)。2021/05/16
おふねやぎっちらこ
2
読むのに時間がかかった、面白いけど,長すぎるもっと凝縮できるはず、冗漫だ。2008/04/26