内容説明
仙境にいたり妙技妙術を会得した名匠墨縄の奇譚。碩学が和漢の古典をあやつって伝奇を織りなすSF的綺想小説の傑作『飛騨匠物語』と、中国では妲己、天竺では花陽夫人、日本では玉藻前。美女に変身して災いをもたらした九尾の妖狐が殺生石と化すまでを描く『玉藻譚』を収録。
著者等紹介
須永朝彦[スナガアサヒコ]
1946年生れ。歌人・作家
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感想・レビュー
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吉岡
4
憑霊に対して文化地域社会的にアプローチすると玉藻前は非常に魅力ある姿に様変わりする。皇紀程の家柄なき美福門院の出世や毒ガス溢れる那須野の環境に妲己や花陽夫人のような傾国の美女が組合わさり生まれた玉藻前。鵺との関係性や九尾となぜ結びついたのかと考える資料不足が悔やまれる。2016/04/29
ないか
0
飛騨匠物語が面白かった! 江戸版ドラえもんという感じで。「顔吉」とか雑なとこもあったけど面白かった。ロミジュリ要素に二度見しました。日本では、ロミオはジュリエットが死んでも後追いしないんです、ね。絵本玉藻譚は割とグロめでした。2013/02/08