感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
白義
13
150ページ足らずの分量で英文学の古代から近代をかけ、ボルヘス流のコメントを加えたもの。英文学オタク丸出しののびのびとした語り口が愉快で、特筆すべきところはあまりないが楽しく読める。読みの独創性よりもみんなが知っていてわかってることを補強し整理しているのがありがたい。こういったオーソドックスな読みと楽しみ方のその先にボルヘスの迷宮的世界が生まれたと考えると興味もさらに増す2013/06/22
roughfractus02
5
「イギリス人は一人一人が島国である」というノヴァーリスの言葉を冒頭に引いてグループや派で捉えられない英文学史を語る著者は、アングロサクソン時代から20世紀までの歴史時間に沿って、『ベーオウルフ』からE・M・フォスターまでの書作品を走馬灯のように辿る。一方、ルネサンスを文学の下位にある演劇(シェイクスピア)でまとめ、18世紀末を以後文学史の本流となるリアリズムよりロマン主義に見る著者は、普遍性を夢や狂気として表現する詩や音楽に見出し、永遠性を直線と化した近代の歴史時間を捻じ曲げる円環イメージとして取り出す。2020/02/23
xin
1
記述は全体的に簡潔であまり厚くないのに『ベーオウルフ』からの通史としてまとめられてるせいもあってか薄く広くであまり熱のこもった本ではない。ラテンアメリカ圏の人間が読むことを想定しているからか、日本人に馴染みがなくてちんぷんかんぷんということはないが上記の理由で「頭に入りにくい」かも知れない。ただボルヘス好きとしてはしばしば彼の作品のモチーフになっている名前が散見されて退屈ではなかった。2014/05/01
うにこ。
0
これをすべて、盲目になってから己の記憶だけで語りきったって…ボルヘス先生の記憶と知識に敬意と驚嘆を覚えますね。イギリス文学の流れを大まかに、その時代の代表たる作家を挙げつつ紹介していく感じ。初心者向け、大学一年生向けって感じの広く浅い語り口。もともと大学の授業だったんですよね。ああ、当時受けられた学生さんがうらやましい。2014/01/30
Nobody1
0
圧倒的な知識量と記憶力。ボルヘスがイギリス文学と深い関わりがあったなんて知らなかった。先生、不勉強をお許し下さい。。。2013/11/25