内容説明
本書は、わが国曹洞宗学の暗黒時代といわれてきた室町から安土・桃山時代さらには江戸期初頭にかけての曹洞宗の諸文献、諸資料をあたうかぎり調査ないし蒐集かつ整理し、その性格、特質を明らかにした著者の意欲的研究の成果である。従来、この方面の断片的研究はあったが、本研究のように総合的、大局的な観点からその全貌に迫った試みは管見によれば前代未聞のことである。
目次
第1部 中世曹洞宗語録の研究(中世曹洞宗文献の形態と特質;中世曹洞宗における代語文献の研究;曹洞宗における再吟文献の研究;曹洞宗における「法問」について;中世曹洞宗語録の諸問題)
第2部 中世禅宗における公案禅の研究(中世林下の公案禅について;中世曹洞宗における門参文献の研究;曹洞三位と夜参の研究;中世禅宗における「応無所住而生其心」の拈提)