目次
骨仏(久生十蘭)
心臓料理(ボッカッチョ『デカメロン』・柏熊達生訳)
伍子胥列伝(司馬遷『史記』・野口定男訳)
復讐鬼(南条範夫)
サノクス令夫人(ドイル・延原謙訳)
牝猫(ストーカー・桂千穂訳)
人虎報仇(蒲松齢『聊斎志異』・中野美代子訳)
ブーレマンの家(シュトルム・矢川澄子訳)
復讐(三島由紀夫)
熊狩り(フォークナー・志村正雄訳)〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Gin&Tonic
7
復讐がテーマの中短編集。欧米の作家、国内の作家がほとんどだけど、中国古典出典作品も少しあり。中島敦『牛人』、B.ストーカー『牝猫』以外初めて読むものばかりで、ラインナップはわりとマイナーめにいいところ突いてるなあと思いました。/久生十蘭『骨仏』、南條範夫『復讐鬼』、井原西鶴『武道伝来記抄』、それとサキ『スレドニ・ヴァシュター』は特に好き。西條八十『曾我兄弟』は美しく哀しく格好良い。2015/09/20
旭
1
久生十蘭「骨仏」の、数頁からひやりと匂いたつ死の香りが艶やかで見事。一番抉られたのは南條範夫「復讐鬼」で、冷静で執拗な描写に追い詰められ、終いにはもう堪忍して下さいと頭を下げたくなりました。同じく手ひどい意趣返しであるドイル「サノクス令夫人」がまだかわいく読めたほど。続くブラム・ストーカー「牝猫」に至っては、被害者のお馬鹿っぷりが、もうお猫様に成敗されてしまえという嗜虐的な気分を煽ります。山田風太郎は通常運転。中島敦「牛人」サキ「スレドニ・ヴァシュター」とはなつかしい再会。怖い人達がいっぱい。濃く楽しむ。2013/01/13
みやの はるか
1
長かった…。読了するのに1年かかった。読み応えはかなりあったけどね。古今東西の「復讐」をテーマにした文学を集めた作品集。海外文学多め。巻末の解説を読まないと、意味が分からないものもある。南條範夫「復讐鬼」が一番印象に残った。一片の救いもない上にグロい。処刑の描写がリアルだよぅ…。ちなみに、この人は『シグルイ』の原作『駿河城御前試合』を書いた人。2012/09/19