内容説明
舞台は十八世紀。病気療養のためイタリアを訪れたスコットランド貴族ネルヴィル卿オズワルドは、その地で美しき即興詩人コリンナと激しい恋におちる。だが二人の間には秘められた過去と両国の異質な文化とが横たわっていて…美しいイタリアの風土、各地の風俗、宗教、芸術を背景に、オズワルドとコリンナの宿命の愛を描いた十八世紀の才媛スタール夫人の傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
燃えつきた棒
35
泉鏡花をなんとかやっつけた(やっつけられたような気がしないでもないが)ので、一度読了を断念したコリンナに再挑戦してみた。 『私が棄てた女』再訪といったところでしょうか。 果たしてその結果はいかにということですが、結論から言えば、これほど斜に構えた僕でさえも、最終的には見事に感動させられてしまいました。 スタール夫人怖るべしです。/2023/03/31
燃えつきた棒
35
フランス革命関連の本ということで手に取ったのだが、最も苦手とする美男美女の恋物語で、ドラマ「君の名は」の元祖のようなお話なので、だましだまし三分の一ほど読んだところでとうとう力尽きた。2023/03/21
たまがぞう
0
昨年読んだモーパッサン「女の一生」に男爵夫人の愛読書として挙がっており、興味を持ち、読了。 フランス革命期のヨーロッパを舞台に、イタリアの即興詩人の女性・コリンナと、イギリスの貴族で軍人のオズワルドの恋模様を描いた小説。イタリアの文化、芸術論がふんだんに盛り込まれており、コリンナとオズワルドの二人を通して古い価値観に覆われているイギリスと、情熱的なイタリアの対比が鮮やかに描かれている。 スタール夫人の母国・フランスの伯爵も登場するが、完全な狂言回しになっている点が面白かった。2025/04/18