内容説明
新聞広告で知り合った男と結婚したアガサは、やがて夫の行動に疑惑を抱き始めた。若くハンサムな夫エドマンドのもうひとつの顔、幽霊が出るという人里離れた家で暮らすアガサの胸に忍び寄る不安の黒い影。エドマンドは果して恐るべき青髭なのか。そして、ある日彼女は秘密の扉をあけた…サスペンスフルな序盤から本格味豊かな後半へ、巧みなストーリーテリングで読者を翻弄する、アントニイ・ギルバートの代表作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nac
8
しょぼいコージーミステリのような題名ですが、内容は非常にスリリングな犯罪小説です。構図こそ完全一致しているわけではありませんが、近年日本でもこんな事件があったな、という感じ。クルック弁護士のキャラクターの痛快さや老獪さはダークヒーロー感があって、とても魅力的でした。2017/04/21
えみっち
6
昔はそこまで感じなかったのに、今の年齢(と状態)で読むとめちゃめちゃ身につまされます。彼女(主人公?のアガサ)とは生きている時代も、家庭状況も異なるわけですが。違う点は、私には仕事はあっても安定優良資産がないってところでしょうか。とここまでミステリに関係ない感想ばかり書いてしまいましたが↓でも書いている方がいらっしゃるように「意外と油断ならない展開」で最後まで楽しめます。2010/04/01
nightowl
5
辺鄙な場所に建つ曰く付の家に越してきた男。彼は結婚前提交際希望の個人広告を出す。そしてそんな甘い話に乗せられたアガサ。男の計画していることは上手くいくように思えたが―論創ミステリで「灯火管制」が出るということで読了。いやはや、話の盛り上げ方のなんて達者なことか。そろそろ終わり頃?と思っていても山場を続々作り上げてくれている。最初は倒叙ものに近い味わいで読めばいいのかと思っていたら、ちょっとしたひっくり返しがあり脱帽。丁寧な解説も有難い。笑った一言:「パンとバターは片づけて、ミッキー・マウスが出ますからね」2016/06/25
旭
4
「良くある良くある」と思いながら読むと、存外気持ちよくだまされ、ううむ、とうなるそんな本。おせっかいなご近所さんというのは、こういう展開の時にはまるで天使のように思えるので不思議。ヒロインは本当に身につまされるというか、孤独というのは身を食い荒らしていくなあ、としみじみとする。2011/09/20
もっち
4
意外と油断ならない展開2008/06/04