世界探偵小説全集<br> ランプリイ家の殺人

世界探偵小説全集
ランプリイ家の殺人

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  • サイズ A5判/ページ数 415p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784336038470
  • NDC分類 933
  • Cコード C0397

内容説明

心はいつも朗らかながら経済観念まるでなしのランプリイ家は、何度目かの深刻な財政危機に瀕していた。頼みは裕福な親戚の侯爵ゲイブリエル伯父だけ。ところがこの侯爵、一家とは正反対の吝嗇で狷介な人物、その奥方は黒魔術に夢中のこれまた一癖ある女性。援助を求めた一家の楽観的希望もむなしく、交渉は決裂、侯爵はフラットをあとにした。ところが数分後、エレベーターの中で侯爵は、眼を金串でえぐられた無惨な死体となって発見された。わずかな空白の時間に犯行が可能だったのは誰か?はたしてこの愛すべき一家の中に冷酷非情な殺人者がいるのだろうか―?魅力的な英国貴族の人物造型と流麗な情景描写、巧みなトリックが融合したマーシュの代表作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

本木英朗

14
ニュージーランドで生まれた黄金時代本格ミステリ作家のであるナイオ・マーシュの長編のひとつであるのだが……うーん、なんか今回はぜんぜん読めなかったです。2000年に1度読んでいた時はよかったのになあ……。また今度、3回目に挑戦かな、トホホ。とりあえず以上です、ハイ。2024/11/10

翠埜もぐら

9
殺人犯に翻弄されるのはミステリとしてはよくある話ですが、容疑者一家全員に振り回されるのは珍しい。しかも金詰りの上流階級の家族にしては年齢層低め、仲良し、家長のお父さんは「真実を話しましょう」と子供たちを諫めるし。容疑者なのに育ちの良さか滲み出ていて笑ってしまいました。一昔前のヨーロッパ上流階級の人たちは、お金がなくても「働く」と言う認識がないのはオースティンの作品なんかでもよく出てきますが、デフォルメするとこうなるんだ。ここまで突き抜けると微笑ましくなりますね。身近にいたら大変だけど。2021/05/30

UPMR

3
アレン警部シリーズ。およそ殺人とは無縁な、楽天的な上流階級の一家のもとで起こった殺人事件という内容で、名前の通りウナギのようにのらくらしたこの家族の人となりにどこまで好感と興味を覚えるかが評価の分かれ目。個人的には興味は持てても好感は作中人物達ほどには覚えなかったかな。一瞬の隙をついての犯行なので各人の位置関係や行動の把握が少し複雑なのだがそのわりに犯人の意外性はそこまでないのがもったいない。地味ながらトリックはよくできていると思う。2023/03/12

madhatter

3
推理は手堅い。殺人の状況もインパクトがあり、魅力的。だが、最も魅力的なのは「左巻き」のランプリイ一家である。フワフワと現実離れした、そして一枚岩の一家の存在自体が、最大のミスディレクションと思う程だ。左巻きであっても馬鹿ではなく、彼等なりに知恵を使い、アレンをよりも読者を煙に巻く。そしてその様は、決して不愉快ではない。一枚岩であるが故に、内部での人間関係などないに等しい(だって一心同体なら、そんなものが成立しようがないでしょ?)一家VS外部という構図の描き方も、例えばクリスティなどとも一味違っていた。2011/11/05

ボブ

2
ニュージーランド移民が失敗して英国に戻った斜陽貴族家族、経済援助の依頼を受けた兄がイヤイヤ来訪。兄は帰り際にエレベーター内で殺害される。容疑者は家族と使用人、兄の付き添いの使用人のみ。死の序曲もそうだが、犯行時刻付近の容疑者達のアリバイ確認が詳細で執拗。ちょっとしたトリックなんですが、容疑者達が○時○分何処にいたか、その2分後は何処に居たか等、メモして覚えていないとトリックの意味が分からなくなります。読んでから何回も考えてああ、こういう事か、と気付きました、それでも大したトリックとは思えませんでした。2025/05/24

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