内容説明
ペリーは日本に開国を迫るとき、日本事情を中国語文献で予習した。吉田松陰は密航をくわだて、漢文で交渉した。中国語を通して世界にアクセスした、交流の歴史。
目次
第1章 日欧の出会いと中国(ジパングの言語;日欧の出会い、鉄砲伝来の立役者は? ほか)
第2章 在華宣教師が学んだ中国の言葉と中国文明(ヨーロッパに現れた中国;布教と中国語の学習 ほか)
第3章 開国前夜の英・仏の中国語・日本語学習(イギリスのアジア戦略;フランスの日本語通訳者養成、日本への前哨地琉球で日本語を学ぶ)
第4章 日米交渉と日本の近代学問(「黒船来航」の舞台裏;西洋人の工夫―漢訳聖書、華英字典、蘭和辞典の利用 ほか)
第5章 西洋で誕生した中国語・日本語学者(コレージュ・ド・フランスに「中国及びタタール満州語と文芸講座」が開設される;日本学の始祖ロニー誕生 ほか)
著者等紹介
小川誉子美[オガワヨシミ]
岐阜県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業、筑波大学大学院地域研究研究科修士課程修了。ソフィア大学、ヘルシンキ大学等を経て、横浜国立大学教授。専門は日本語教育学、日本語教育史。博士(政策・メディア、慶應義塾大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Shiba
2
欧米諸国(≒キリスト教圏)における日本語教育史・日本研究史といった趣/タイトルはちょっと詩的にしたかったのかもと思いつつ、若干ミスリーディングかも(重要なのは文字体系よりも漢文もしくは中国語と解釈できるため)/借用語である漢語が語彙体系に分かちがたく入り込み、漢文が深く根ざしている日本語の習得に中国語が不可欠だったというのは納得/宣教師や日本研究者がアクセスしたかったのが日本の支配層や知識層であったことも、中国語が有用であったことの要因と思う→日本と日本語の近代化のトップダウン的性質を示唆?(要検証)2024/10/31