内容説明
英国有数の貴族ホートン公爵の大邸宅で、名士を集めて行われた「ハムレット」の上演中、突如響きわたった一発の銃声。垂幕の陰で倒れていたのは、ポローニアス役の英国大法官だった。事件直前、繰り返されていた謎めいた予告状と、国家機密を狙うスパイの黒い影、そして、いずれもひとくせありげなゲストたち。首相直々の要請により現場に急行したスコットランドヤードのアプルビイ警部だが、その目の前で第二の犠牲者が…。英国本格黄金時代を代表する名作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まふ
66
「ハムレット」の素人劇の上演途中で超大物の大法官オルダス卿が殺害され、さらに殺人が続く。政財界の名士である演者・観客がともども大騒ぎする中、アップルビイ警部と探偵小説家のゴットが組んで犯人捜査を行う。大人数の関係者の中から徐々に絞られて犯人が特定され逮捕される。が、真犯人はその人ではなく、さらにその次の人でもなく・・・と最後まで明かされない、凝った(いささかとってつけたような)作りのストーリーだった。「ハムレット」の詳細なストーリーを覚えていなかったため読み直しが必要であると反省した。推理100。2022/12/07
timeturner
8
若くて元気に走るアプルビイ、かわいい! 正直言って謎解きそのものはいまいちだったけど、英国史、英文学、シェイクスピアや芝居が好きなら一行一行をわくわく読めると思う。2016/04/24
青縁眼鏡
5
最近シェイクスピアにはまっているので、前半の芝居を作る場面を楽しく読んだ。もちろん、ミステリも最高。2018/08/12
mercury
5
長く、登場人物が多く、複雑なストーリー、二転三転する謎解き。だんだんどれもありそう、著者がこれが正解だと言えば終わるんだなというちょっぴり投げやりな気分になってしまった。2015/09/12
Aiko
4
作中での密書類をめぐるスパイ疑惑の伏線の扱いがなかなか見事で、感心させらた。録音機やカメラといった小道具も、終盤のどんでん返しにうまく使われていて、お見事。一見荒唐無稽な始まりを見せる本作だが、当時の国際情勢等を鑑みると意外と納得がいく。ナチス台頭下という時代に思いを馳せながら読むと、また違った楽しみ方が出来る。 2013/04/17
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