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内容説明
荒れ狂う嵐のなか帰途についたエリアスは、海魔ドラウグの操る舟と出会った…。仮借なき海の恐怖を描いた表題作他、妖術師や風の精、恐れを知らぬ船乗りたちが活躍する、北国ノルウェーの不思議な物語の数々。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紅はこべ
63
漁師と海の魔物の物語。魔に魅入られたら、逃れるのは至難らしい。唯一のハッピーエンドの「ラップ人の血」が良かった。差別問題にも繋がる話なんだけど。2018/04/19
乙郎さん
11
ノルウェーの国民作家の短編集。民間伝承をもとにしているらしく、日本の昔話にも近いものを感じた。しかし、やはり酷寒の地で海に囲まれて育った国民性もあるのか、日本との異なる部分も多い。たとえば日本に比べて野心家が優遇されているように感じたし、異なるもの(ドラウグ)に対する畏れも大きい気がした。恐らく日本人好みするのは、勧善懲悪な「ラップ人の血」でしょう。2009/10/01
ハルバル
6
力持ちで大食らいの巨人女、蛇の化けた美女、海鳥の舞う島、海底の平原など、ノルウェーの風土性豊かな民話風の物語。海草頭の海の妖怪ドラウグ(アザラシなのか水死人なのか)は、船を沈めたりする恐ろしい魔物だけど、意外にユーモラスな姿で好き。色々な物語に遊牧民のラップ人との確執が反映されているのも興味深かった。海の有るところに怪異ありか。2017/08/27
伊佐奈
3
小説というより民話や伝説の側面が強い内容だった。不条理に感じられるのはそのせいなのか、それともノルウェーという土地の特色なのか。私とはちょっと相性が悪かったようだ。2014/01/12
本のむし
2
この本に起承転結などあってないようなものだ。 悪い魔法使いから、からから逃げた先に必ず幸せがくるわけでもなし、悪いものに目をつけられて必ず不幸になるわけでもなし ノルウェー人なら誰もが知ってるヨナスリーの作品を、唯一日本語訳した本 恐ろしく理不尽で、人ならざる力も平気で飲むこむ雄大なノルウェーの世界をごらんあれ 挿絵もいいようもなく不気味でいい2021/10/02