内容説明
不気味な幽霊屋敷に次々に出現する怪異と凄惨きわまる結末、鬼気迫る傑作「ゴースト・ハント」他、怪奇小説の頂点をきわめた恐怖譚全9篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
セウテス
61
20世紀最後の怪奇小説作家と呼ばれる、ウエイクフィールド氏の短編集。基本的には古い館に住み着く幽霊の話という、良く在るゴーストストーリーなのだが、人が感じる恐怖を描くのがとてつもなく卓越している。語り手が展開する普通の設定から、日記や第3者の手記による物語、ラジオの番組からの声などと趣向を凝らしている。実際ラジオから、この物語が聴こえてきたら、いや読んでいる最中に、何処からか物語が聴こえてきたら、本を放り投げているかも知れない。リアルに貴方の傍に存在する感覚、弱い人は昼間の明るい場所で読みましょう(笑)。2018/02/19
内島菫
30
「ゴースト・ストーリーの伝統を最後に代表する大家」による短編集。三人称で書かれたものもあったが、ほとんどが一人称(語り手による物語の展開というシンプルな形式から、第三者の手記、日記、手紙という入れ子方式、ラジオの実況風という変形方式)であり、それは著者自身が目撃・体験した幽霊とそのときの感覚をどう表現するかに終生こだわり続けたからではないかと思う。彼は、一人称で自身の精神の暗部や魂の不安を書いたというより、自分だけでなく他者も体験しているがその根拠や合理性を言えないものについて、2017/05/02
星落秋風五丈原
26
創元推理文庫「ゴースト・ハント」に全て収録されている8篇とウェイクフィールド自身の前書き、後書きが記載。赤い館はやっぱり怖い。これ実話だったんですね。 2017/08/14
sakkychang
11
イギリス最後のゴーストストーリー作家と呼ばれるウェイクフィールドの怪奇短編集。読んでいて思い出したのは小泉八雲の怪談。ぞっとするような、なんだか懐かしいようなそんな感じを受けました。特に「赤い館」は実際に作者が体験した心霊現象をもとにしているとかで、一つ一つの事象は地味ですが、逆にリアリティーを感じたした。あと「不死鳥」はヒッチコックを思い出す内容で地味に怖かったです。2018/05/17
コーデ21
5
昨年読んだ文庫本「ゴースト・ハント」と全く同じ内容…う~ん、中身を読まずに図書館リクエストしちゃったから、ちょっとガッカリ(^^)ゞでも、『ゴースト・ハント』は何度読んでも鳥肌たつ傑作ですね~☆2013/04/03