内容説明
“ドクター・ポポタムの字引には不可能の文字はない、いや困難の文字すらない”―アフリカのカバ、ポポタムは、こっぱみじんになったワニを特許つき『ポポタムのり』を使った治療で元通りに。その名はアフリカ全土に響きわたり、ついにはパリの大統領からもお呼びがかかるが…迷医ポポタム先生の大活躍を描く表題作のほか、人類を破滅の危機から救わんとするイカサマ天文学者「満月先生」と計算犬「なめくじ」の珍冒険『「なめくじ」の話』など、動物たちと人類たちが繰りひろげる奇妙でおかしくとぼけた世界。フランスの作家レオポルド・ショヴォーが最愛の息子ルノー君とともにつくりだした。ちょぃと残酷、だけど限りなくやさしい、なんともかんとま不思議な不思議なお話集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きゅー
10
著者ショヴォーが息子のルノーくんに物語を話してやるという体裁をとった寓話集。内容はかなりブラックなものも含まれているのだが、全体としてのほほんとしたイメージが印象に残る。それにしても人や動物がかんたんに死ぬ(破裂したり、食われたり)のがなんともかんとも。普通の童話なら教訓の一つや二つあってもよいはずなのに、この物語では死んでおしまい。後書きを読んだら気分が暗くなった。ルノーくんは、医者でもあったショヴォー自らが行った手術のミスで12歳で亡くなっている。一から十までブラックジョークのような一冊だった。2012/10/29
みい⇔みさまる@この世の悪であれ
2
☆×4.5…ちょっと毒の強いお話集。でもそれが非常に小気味よく感じてしまいます。この手の表現がいやな人でなければ夢中になること間違いなしの1冊です。面白く感じたのは表題作と最後に出てくる「小さなクマの話」かな。後者は最後があっけないけど結構残酷だったりします。ありえないとはわかっているけれども実際にあったら本当に怖いなぁ…2010/08/30
キンカン
0
イラストも著者作の方がずっと味があるのになぁ2009/03/23