文学の冒険<br> 遠い女―ラテンアメリカ短篇集

文学の冒険
遠い女―ラテンアメリカ短篇集

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  • サイズ A6判/ページ数 275p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784336035998
  • NDC分類 963
  • Cコード C0397

目次

96.10.15

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

211
ラテンアメリカの作家たちの短篇を11篇集めたもの。ただし、そのうちの5篇はコルタサルのもの。コルタサルは、ラテンアメリカ世界におけるポーの継承者と目されているようだが、たしかにここに収録された5篇は、そのいずれもが日常の中に潜む、あるいは日常のすぐ隣にある陥穽へと読者を滑り込ませていく。また、篇中でもっともシュールレアリスムへの傾斜を示すのはカサーレスの「未来の王について」である。そして、もっとも痛快なのがライネスによる、海のドン・キホーテともいうべき「航海者たち」だろう。この2人は初読だが注目に値する。2015/03/08

藤月はな(灯れ松明の火)

53
ラテンアメリカ文学ってどうしてこうも面白い作品が多いのだろう。特に孤独な女性の日記から始まり、油断しているとラストに衝撃を受ける表題作、女性の魔性と怪物性を描き、寂寞感を与える『キルケ』、黙示録とも取れそうな『航海者たち』は夢中になって読みました。2013/11/18

Gotoran

47
『ラテンアメリカ十大小説』で紹介のフリオ・コルタサル『石蹴り遊び』繋がりから本書へ。表題『遠い女』他コルタサル4作品を含む11編のラテンアメリカ幻想文学短編を収録。幻想的、怪奇的、散文的な摩訶不思議な世界が味わえた。初読のマヌエル・ムヒカ=ライネス「航海者たち」は奇想天外な幻想怪奇譚で、特に印象深った。巻末の木村榮一氏の総括て的な“あとがき”での、幻想的短編を夢とみなしての小さい夢と大きな夢についての考察、ポー、ボルヘスとの繋がり、フロイト、ユング、メダルト・ボスを引いての論考も興味深かった。2015/10/23

かわうそ

32
マヌエル・ムヒカ=ライネス「航海者たち」がバカっぽいドタバタ劇で非常に面白かったのですが著者の他の作品は手軽には読めないようで残念。その他のお気に入りはコルタサル「乗合バス」フリオ・ラモン・リベイロ「分身」あたり。2016/01/28

ドン•マルロー

28
ラテンアメリカの短編11編を収録するアンソロジー。といっても、表題作を含む5編がコルタサルの作品であるのだが。そこに編者の偏執的思考が伺えないでもないが、全体の調和は少しも乱れていない。一冊の書物としての統一感さえ感じられるほどだ。木村榮一氏によるあとがきも必見。夢と文学との近似性を解き、集団としての夢=「大きい夢」が重視された時代と、読書という個人的行為による「小さい夢」の継承される現代との明白な相違、その変遷が語られる。現代という時代に通奏低音のように流れる共通観念、夢を見るための一冊と言えそうだ。2016/08/13

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