文学の冒険<br> 不滅の物語

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文学の冒険
不滅の物語

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  • サイズ A6判/ページ数 298p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784336035905
  • NDC分類 949.73
  • Cコード C0397

内容説明

若き作家、老実業家、プリマドンナ、美しき貴婦人…。静謐な時間の流れに潜む狂気を描く七つの不思議な短篇。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ネロリ

10
登場人物たちの間で交わされる抽象的な言葉や丹念に描き込まれた情景が重なり、おとぎ話のような印象を受けもしたが、物語の舞台の殆どはデンマークであり、ディーネセンの見聞き及び体験によるテーマを扱っているらしい。彼女の描く人物は時に獣のような臭いを放ち、短編 の「指輪」ではそれがぎゅっと濃縮し、緊張感を楽しめた。どれがというわけでもなく、どの話にも掴まれる部分があった。2012/08/27

きゅー

10
ここに収録された彼女の作品は20世紀中盤に書かれているのだが、印象としてはさらに1世紀以上も古く感じる。領主や貴族が絶対的な力を持ち、あるいは大金持ちが自分の好きなように行動する。それらを20世紀の視点から眺めているのではなく、それが当然のものとして、天与の権利として書かれていることに、奇妙な感覚を覚える。彼女の作品は良くも悪くも彼女の体験に根ざしており、その圏内においては手練の物語を描いている。2012/07/10

きりぱい

7
比類のない展開をみせる魅惑の面白さ。船乗りの語り継ぐ物語から突飛な企てを進める「不滅の物語」、領主を継ぐとともに、亡き父の因縁まで背負った息子の成り行きが短篇とは思えないほど詰まっている「満月の夜」と、どちらも足をすくわれたというか、本当に救われたというか、締めくくりが際立っている。『カーネーションを胸に挿す若い男』や『悲しみの畑』もよかった。不思議という言葉だけでは足りない、ゴシックな雰囲気に北欧神話や信仰、デンマークの情景の美しさと、豊かで力感ある短編集。2010/11/24

つだしょ

4
40歳過ぎてからデビューしたデンマークの女性作家。ヨーロッパの主流文学の周縁に位置付けても読める。名門に生まれながら、アフリカに渡り、夫に梅毒をうつされ、夫が去ったあとも一人でアラフォーまでコーヒー農園を経営。また、デンマーク語で小説を書いても売れる見込みが少なかったから、英語で書くという、二重言語作家。作家としてとても幸運な境遇、人生のコンテンツ。まさしく、ヘミングウェイなどよりもノーベル文学賞にふさわしい。でも、世の中は最大公約数の方を選ぶらしい。ミスター・クレイが支配するこの世界では。2015/02/20

コニコ@共楽

4
イサク・ディーネセンは、「バべットの晩餐会」を読んでその圧倒的な素晴らしさに魅せられた作家です。彼女の選りすぐった短編が載っているこの本は、どれも不思議な魅力をたたえていてまた読み直してみたくなります。中でも「不滅の物語」と「カーネーションを胸に挿す若い男」は千夜一夜のようなそれこそ“不朽の物語”といえると思います。2011/12/13

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