感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あたびー
39
読むなら今でしょ!と思い。 宇治十帖執筆後筆を置いていた紫式部に宮中の事件が降りかかる。 創作に現実を添わせる形なのでどうしても歪みが生じるが仕方ない。 平安時代で女の身と言う究極の非力からほぼ揺り椅子探偵。 清少納言との推理合戦も。 トリックは…🤫2024/07/30
タカギ
20
有栖川有栖氏のエッセイで紹介されていた本の一冊。紫式部が探偵役を務める。登場人物の名前にちょっと既視感があると思ったら、森谷明子氏の『千年の黙』だった。両者とも結構史実をもとにしているのね。昭和25年が初出なので、古いと言えば古いけれど、そこはミステリの魔力が働いて、そもそもの時代設定が平安時代ということもあり、言葉遣いなどもかえってチャーミングに感じられた。源氏物語好きにもミステリ好きにもお勧めの逸品。2018/03/09
てらこ
14
推理小説3作を収録。表題作は、源氏物語のその後、宇治十帖の登場人物たちが連続殺人事件に巻き込まれていた!という内容。薫や匂宮が実在の人物のように描かれ、紫式部にお悩み相談したりする世界観が不思議。探偵役となって真相究明に挑む紫式部に、ライバル・清少納言が推理対決を仕掛けてきたり、源氏物語の脇役たちたくさん出てきたりと楽しめました。原作のラストが、ぶつ切りのような議論を呼ぶ終わり方をしてるおかげか、こうした二次創作的な作品がいろいろ生まれてるのが面白い。2020/03/08
みつちや
4
源氏物語のその後をミステリにした小説。源氏物語を漫画で読んだので知らなかったのですが、原文の雰囲気のままに紫式部の気持ちが長々と詠うように書かれているので、慣れるのに手こずりました。ミステリとして面白いのは宇治十帖の主役2人の名前でこの本のタイトルでもある、匂いという点。私には斬新で面白く笑ってしまいました。このテーマで女性が書いたら角度違って面白そうなので、そんな本も探してみようと思います。2020/06/05
とりふぃど
2
宇治十帖その後を扱ったミステリー。探偵は紫式部。あのなんとも言えない一人称が、紫式部日記を思い出してつい笑ってしまう。2009/05/16