感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takaC
32
名探偵青山喬介の推理を期待して読んでみたが平成時代の今ではもはや名推理とは言い難いものもあった。昭和初期の推理小説だということを考慮すればかなり高水準なのは明らかだが。2015/06/05
しば丸
5
戦前に書かれた作品だけあって所々漢字の使い方が「六ヶ敷(むつかし)い」。けれど不思議と引き込まれる短編集。特に様々な裁判に証人として現れる女の謎を追った『あやつり裁判』が面白かった。戦地で病没してしまったのが惜しまれる。もっとたくさん読みたかった。2013/12/23
χ
3
昭和初期でこれだけ論理や科学に重点をおいた探偵ものがあるとは知らなかった。久々に本格ものを読めて嬉しい。動機が異常心理だけでなく金目当てのもあるのは現実的。当時の時代背景も知れて面白い、既に有料道路があったことや炭坑で女性も働いてたなんて意外。もっと読みたいけど本格ものはこの本以外ではもうあまりなさそうなのが残念2014/09/11
来古
1
「デパートの絞刑吏」「死の快走船」「気狂い機関車」「とむらい機関車」「燈台鬼」「闖入者」「三狂人」「白妖」「あやつり裁判」「銀座幽霊」「動かぬ鯨群」「寒の夜晴れ」「坑鬼」「幽霊妻」2024/07/03
キートン
1
今の言葉で言えば、「奇妙な味」「怪奇小説」などという表現が当てはまるような戦前の探偵小説の中で、これほど「謎解き」に重きを置いている作品があることが一つの奇跡のように思える。 これ以外にも大阪さんの作品を探して読んでいるけど、どの作品も「謎が論理的に解かれる」という点は一緒だけど、本格的な探偵小説から、ユーモア溢れるものなど多岐に渡っており、赤川次郎さんを思い起こさせる。 個人的には、江戸川、横溝両氏よりも評価が上、幻の長編も読みたかったなぁ。2016/12/13