出版社内容情報
吉田健一 著
富士川義之 編
ユニークな文体で独自の優雅な文学空間をかたちづくる吉田健一の世界。「海坊主」「空蟬」「道端」「或る田舎町の魅力」「逃げる話」「沼」「邯鄲」「ホレス・ワルポオル」「酒の精」ほか11編。
著者紹介
吉田健一 (ヨシダケンイチ)
1912年、東京生まれ。父吉田茂に従って海外各地で育った。ポーやヴァレリーの翻訳から文学活動を開始し、反ロマン主義的批評を数多く執筆するかたわら、『瓦礫の中』など多くの小説も手掛けた。主な著作に『吉田健一全集』がある。
富士川義之 (フジカワヨシユキ)
1938年生まれ。評論家・英文学者。著者に、『風景の詩学』『記憶のランプ』『幻想の風景庭園』など。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
62
思わず、唾を呑み込んでしまい、その料理を再現して食べたくて仕方ない食事描写。それを描くには五感を存分に働かせるような描写、そして作者に食べる事、料理するへの喜びや愉しみがなければならないと私は常々、思っている。翻訳で何度も目に掛かった作者は美味しいものとお酒に目がない御仁でした。食事制限が掛けられる病床で夢想した「饗宴」は百花繚乱フルコース。逆にこんなのを病床で夢想したらひもじさを耐える余り、シーツを噛むしかないじゃない(笑)2022/03/20
シナモン
4
表題の「饗宴」を読みたくて読了。11編を収録した本作。「饗宴」はめくるめく食のフルコースを空想していく様は読んでいて楽しい。食が細ったらこの本でも読んで、満腹感を味わおうか。2018/03/11
jdrtn640
0
生誕100年ということで、初吉田健一。2012/12/23