感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
7
豊饒と玉座と魔術を司り多様な顔をもつエジプトの女神はギリシャ語でイシスと呼ばれる。著者はその習合的性格を作るネットワークに注目し、エジプトに駐屯する古代ローマ軍から近代のフリーメイソンにいたる多言語多文化を跨ぐ移動の網の目が、各々の土地と時代の文脈によってイメージを屈折させる様を辿る。さらに本書は、起源の発見を立証するために偽の発掘物を埋めて偽装した史実を記し、多様な屈折が起源への欲望を生むことも指摘する。屈折が作る様々な偽書の中で正典への欲望が生じるなら、正典とは偽書から生まれるバージョンの一つなのだ。2019/06/12
Auristela
0
ヨーロッパ、インドまでは成る程と思いつつ読み進めたが、中国あたりでキルヒャーの言に頼りっきりになるにつれて胡散臭さが増したけど、これが古い世界に向けられた密かな欲求や、悦ばしき知恵、逸脱の遠近法だと説明されればそうなのかもしれないと思うけど、知の遊戯はどこまでいっても知の遊戯でしかないと思うなー2015/06/11
ノルノル
0
★★★★★2023/12/13