感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nranjen
4
方々の論文を読んで絶対に好きになれない作家だと思っていたが、読んでみると面白すぎる。主人公は男としてサイテーすぎ。だがそのサイテーの書きっぷりがあっぱれなのだ。まさに失われた時の「私」のように「時代精神を描きたい」というジルの言葉は作者のテキストと重なる。サイテーなジルを通して克明に見られ挑戦するように書かれた対戦間は大変貴重だ。性愛の男目線のなまなましさのリアリズムから政治がからんでくるところで上巻は終わっている。部分的に原文を見るとすごく気の利いた日本語に訳されていて素晴らしいと思った。2018/04/17
nranjen
3
図書館本。図書館においていてくれて助かる。原文とつきあわせて読んだが、やはりこなれた翻訳。いくつかこれは違うといつものようにぶつぶつ言いながら読む。翻訳があるというのは恐ろしくありがたいことでもあるけれど、あったらあったでいろいろ文句のつけどころが必ずあるものなのだと思った。2018/09/27