出版社内容情報
崩壊寸前のドイツ=ジークマリンゲンでの亡命生活を描く《亡命3部作》第1作。汚濁と卑小さが渦巻く現地での体験の回想と、「現在」の窮状が交互に描き出される。セリーヌの復活を決定づけた名作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みみみんみみすてぃ
6
亡命三部作の第一弾……とされているらしいが、話がよく分からん(笑) ”また話が脱線しちまった……また読者を置き去りだ……この老いぼれ頭め!”みたいに(笑)、話が脱線していくのを自分でツッコむというのには何回も笑いました。ギャグ線やスラングが今までよりも圧倒的になっているのに、妙に引き込まれるから読むのが早い。この作品くらいまで読むと十分セリーヌ中毒にかかっている気がします2016/10/04
いそじ
1
大学生のときに読んだ。
Shinsuke Mutsukura
0
この人の作品は、口調が伝法で面白い。それ以外は解説を読まないと訳が分からない。まあ、ペタン政権が崩壊して逃亡する話だが、この話なんかを読むとフランスが平和の象徴みたいに言われていることがチャンチャラおかしいと思えてくる。あの戦争の後に思想が180度変わってしまっただけではないか。みんながみんなド・ゴール派ではないし、レジスタンスでもない。ヴィシー政権のもとに暮らしていた人間が半数は存在したのだから、フランス人も日本の隣の国の連中も油断も隙もねぇ連中だということが良く理解できる。2020/03/11