出版社内容情報
主人公フェルディナンの幼少期を覆う、数々の悲惨、溌剌とした冒険、人々のやさしさセリーヌがその類いまれなスタイルを確立し、人間=医師としてのみずからの志を確認した最高傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
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ロハでオケラとはこういう事をいう。2015/08/29
いたま
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下巻は主人公フェルディナンのクルシアル・デ・ペレールという発明家のもとでの丁稚奉公の物語を描く。両親の家での苦難から逃れたはいいが、こちらでもまた災難続きの日々の連続である。ペレールもまた賭け狂いの詐欺師のような人間で、病気の後遺症でひげのはえたその妻もヒステリー症の強烈な人物である。凄まじい罵詈雑言とそこに表れるユーモア、登場人物の遠慮のない描写とだからこその立体的な人物像と心情のリアリティ。まさに怪作であるが、この筆致だからこそ描けるものは間違いなくあると思わされる。結末が悲しい。2022/02/08
季奈
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自分の所為か、他人の所為かに関わらず個人の立場や思想は崩壊する。 去り行くものが消失するのは少し悲しくもあるが、人生という劇場で喜劇の役者となるには幾多の悲劇を演じるしかないのだ。2019/02/18
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