感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NAO
55
放浪者メルモスの話は、伯父が読むなと言った文書、モンサダの経験、モンサダが下記写した文書の中に3つの計5つ。だが、どれも『影をなくした男』と似たような話だった。そして遂にメルモスが登場するのだが、結局、彼は反省しているのか、救いはあったのか。2017/06/05
スターライト
4
魔術の力によって若さを保ち続けた放浪者メルモスの、150年にわたる物語はここに大団円を迎えた。若いメルモスが海に落ちたところを助けてくれたスペイン人モンサダの話、そのモンサダを牢獄から助けた老人が頼んだ手稿の3つの物語、それぞれに現れた怪人メルモス。心根はやさしい男のようだが、周囲には恐れられ、自分を愛し子どもまで宿した女性イシドーラとはついに結ばれることなく死別する悲運。放浪の果てに放った悲痛の叫びには、心打たれる。長大な物語だが、小説を読む醍醐味を味合わせてくれる稀有な作品。2020/03/17
更新停止中
0
上巻はしんどかったけど下巻になってどんどん話が入れ子になって行くに従って面白くなった。もっともっと無限の入れ子になって最初何の話だったか解らなくなってもいいのに、とか思った所で最初の話に戻って「もう皆この人の事忘れてると思うけど」みたいな事を作中で言い出すあたりの「解っててやってる」感。面白かった。2013/01/05
Susumu Kobayashi
0
複数のエピソードが進行し、中には入れ子構造になっているものもあるが、要するに、150年生きて、人間の魂を奪おうとする悪魔の化身、放浪のメルモスの物語。上巻は誤植が多かった気がするが、下巻では改善されている。難読文字が多かったので、ルビをつけてほしかった。翻訳は生きた文章になっていて名訳だと思う。2012/08/11
takeakisky
0
藪から棒に登場のユダヤ人。からのインド。メルモスの語る現世の疎ましさ。煩わしい追い詰められ感。読んだことないけれどラノベ、感?ちょっと退屈する。相変わらず誤字が多い。さらに枠の中に入り、グスマン一家の転落と逃亡。メルモスによる英国の一家の語り。細かい辻褄の合わなさなどもあり、只管只管辛抱の体。残り100ページを切った辺りから強烈な圧力が戻ってくる。ここからは一直線。メルモス本人の短くも壮絶な語り。呆気ない幕。しばし、取り残された気分を味わう。赦しから見放された男。2024/03/20
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