感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takeakisky
1
おそらく私の本棚の中で最長積読期間の一冊。何せ中学生のときに買った本。数ある世界幻想文学大系の中から何故これを選んだのかは全く覚えがない。その時買ったのは、これと英国ロマン派幻想集。中学生のセンスは全然分からない。読み始めたら、奇妙、奇妙、奇妙。十八章までノンストップで読んでしまう。なんじゃこりゃ。凄まじい吸引力。クララの声は市原悦子で再生される。十九章から少し普通っぽくなるものの、終盤に向かって再び惹きつけられる。こんなにおかしな本を読むのは久しぶり。本棚の片隅にいつも置いておきたい一冊。2023/11/11
タケチョ
0
よく分からなかったという思いだけを残した初読から幾星霜。語り手のクララがここまで頑固な女性だと今回発見した驚きは大きい。状況を切りひらくわけではないものの、一人で語り通すのだから、その意味でアメリカ文学史上の最初期のヒロインと呼びたい。これが理神論と大覚醒に特徴づけられる18世紀のアメリカで書かれたことが納得できた。2025/05/03
