内容説明
精神病理学と宗教学は、それぞれ独自の対象を持ち、方法においても、学問としての成立過程においても異なっている。しかし、いずれも何らかの意味で人間の心をその対象とするという共通性があり、また治療やいやしと切り離せない領域でもある。従来からの病理という面はもちろん、こうした治療やいやしという側面も取り上げ、両者の関係性および橋渡しの可能性を探求する。
目次
第1章 宗教と精神病理学
第2章 「宗教を精神病理学からみる研究」の視点の諸相
第3章 精神の病理と宗教の「病理」
第4章 精神のやまいと宗教の救済
第5章 精神病理学の方法論
第6章 二つの生
第7章 全体のまとめ
著者等紹介
大宮司信[ダイグウジマコト]
神奈川県生まれ。1975年3月北大医学部卒業、同精神医学教室に入る。実地臨床を経て教室に戻り、脳内ノルアドレナリン合成酵素に関する実験的研究で医学博士号を取得。アメリカシカゴ大学医学部精神医学教室メルツァー教授のもとで准教授として研究に従事、帰国後北大医学部保健学科に勤務、同教授として2008年3月に定年退職し、北海道大学名誉教授。同4月北翔大学教育文化学部教授。現在の専門領域は精神病理学。主要な学会は日本精神病理学会で、同学会機関誌「臨床精神病理」編集委員長、学会長、理事などを歴任。臨床面では精神保健指定医、日本精神神経学会認定専門医・同指導医(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Go Extreme
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