出版社内容情報
時代精神・文化をも射程に入れて、うつ病の意味、発症過程を描き出す多元論的精神医学の試み。うつ病臨床に確かな指標を提示する。/
内容説明
うつ病の実相・全体像を探求する第一人者の最新の到達点を示す。科学的普遍性を旨とする生物学的研究をベースに、行動遺伝学、社会心理学、文化心理学の成果を踏まえてうつ病の固有性の解明を進めつつ、環境、地域性、時代性を反映して複雑の度を高めるうつ病臨床の場における精神科医の創意と工夫とを提起する重厚な論集。
目次
序論―本書の内容紹介を兼ねて
第1章 下田執着気質論の現代的解釈
第2章 うつ病の行動遺伝学的構造
第3章 うつ病の多様性と社会学的理解
第4章 うつ病の文化論的理解
第5章 生物学的立場から臨床精神病理学を問う―気分障害
第6章 うつ病の臨床精神病理学―「笠原嘉臨床論集」を読む
第7章 精神科診断のための面接とうつ病の初期面接
第8章 抗うつ薬の薬理学とうつ病の薬物療法
第9章 うつ病の生物学―モノアミン仮説を越えた展開
著者等紹介
神庭重信[カンバシゲノブ]
1954年福岡県生まれ。1980年慶應義塾大学医学部卒業。同精神神経科学教室にて研修の後、米国メイヨ・クリニックにて精神科レジデント修了。同アシスタント・プロフェッサーを経て帰国。1993年慶應義塾大学医学部講師、1996年山梨医科大学(現山梨大学医学部)精神神経医学講座教授。2003年九州大学大学院医学研究院精神病態医学分野教授。日本うつ病学会理事長、日本精神神経学会副理事長などを務める。医学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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