浅草公園 凌雲閣十二階―失われた“高さ”の歴史社会学

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浅草公園 凌雲閣十二階―失われた“高さ”の歴史社会学

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  • サイズ A5判/ページ数 415p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784335551741
  • NDC分類 523.136
  • Cコード C1036

出版社内容情報

民間学者・喜多川周之の遺した膨大な資料をもとに、関東大震災前の浅草にたつ凌雲閣十二階とそこに集う有名無名の群衆を描く。

明治・大正時代の東京スカイツリーである浅草十二階と、盛り場に集う群衆。稀代の民間学者に導かれて、東京の歴史が幕を開ける。

稀代の郷土史家にして考証家、喜多川周之。遺された膨大な資料をもとに、関東大震災前の東京・盛り場=浅草にたつ凌雲閣十二階とそこに集う有名無名の群衆を描く。
パノラマ的視界を現出させた、当時のめざましい高層建築、日本初のエレベーター、初めての美人コンテスト、そして関東大震災による倒壊。話題に事欠かない凌雲閣十二階の消長が、日本近代の諸相、人々の好奇心のありようを鮮やかに照らし出す。
本書は喜多川周之という人物とその業績をていねいに辿りながら、脱皮を繰り返すように成長していく東京、そして日本近代の様相、人々の欲望をみごとに捉えた歴史社会学の成果。図版多数、読物としても面白い内容。「記録と記憶」と題された当時の貴重な資料は必見。

第一章 塔の視覚と想像力――浅草公園・十二階凌雲閣  
  一 思い出となればなつかし──凌雲閣を見上げつつ
  二 「エレベートル」を以て縦覧人を昇降し──高みからの見物
    上野の内国勧業博覧会
    福原庄七とウィリアム・バルトン
    凌雲閣に登る人びと
    高塔のたそがれ
  三 昔見し凌雲閣の百美人──写真による比較と選別
    美人写真を見つめる
    エレベーターの操業停止
    日本最初の美人コンテスト
    投票というイベント
    集計公表をめぐる争い
    『百花美人鏡』
  四 垂直に立ち上がった煉瓦街──勧工場という商品空間
    凌雲閣の内部空間
  五 十二階は始末におえなくて──高塔の黄昏
    凌雲閣を倒す
    飛び降りた自殺者たち
  六 どこの魔法使いが建てましたものか──俯瞰と仰望と望遠鏡
    高いは十二階
    図に題す
    望遠鏡という覗き眼鏡
    「覗きからくり」と「遠めがね(双眼鏡)」
  七 空間の想像/都市の表象──虚焦点としての十二階
    十二階の「高さ」
    パノラマの奥行き
    十二階凌雲閣を追い続けたひと

第二章 民間学者としての喜多川周之
  一 ある郷土史家の死
  二 十二階崩壊以前──大震災までの少年の日に
    人生の時間軸にそって
    子どもの遊びと観察力
    ベーゴマとメンコの加工
    買ったものと作ったもの
    十二階の記憶
    毒キノコもキノコである
    非嫡出子としての十二階
    震災に逃げまどう
    意味の立体性
  三 十二階崩壊以後──石版画工としての修業から
   (一)蒐集趣味の形成と徒弟修業
    川村画版所の徒弟として
    浅草の休日と絵はがき蒐集者の誕生
    絵はがきと古書の収集
    十二階の記録をあつめる
    画工としての興味
   (二)職人としての目と腕の熟練
    職人気質と本当の職人性
    ニセモノをつくる腕と技がわかる目
   (三)文学運動への参加と出版
    童謡と詩の文学運動
    製本屋のおやじ
   (四)研究・蒐集仲間たちとのネットワーク
    考現学のフィールドワーク
    大東京風俗資料研究会
    風俗談話会の開催
    民間学者の重なりあうネットワーク
  四 方法としての地図──資料の空間の見取り図
    「地図」という空間図示のメディア
    地図への関心と東京の大都市性
    地図と聞き書き
    命名者の神話
    紙くずの重要性
    二代目新門辰五郎夫人の苦労
  五 民間学の視点から
    民間学者としての喜多川周之
    十二階の夢

第三章 「十二階凌雲閣」問わず語り
    都市の古老
    仲見世の絵本売りと買鼠券
    職人の知・民間の知
    遺贈した資料との出あい
    未完成の十二階論
    著作目録とヒアリング資料
    語られたことと書かれたこと
 ◆喜多川周之「十二階凌雲閣」問わず語り◆
  一 浅草寺奥山における「公園」の誕生
    公園の設置と営繕会議所の運営案
    江戸時代の奥山
    奥山に於て興行仕り御好評を賜りたる
    公園出稼仮条例と夜間の営業
    「公園の人じゃない」
    氏子守札が示唆するもの
  二 浅草公園の「新開地」六区の開発
    ひょうたん池の造成
    浅草公園第六区の形成
    六区の形成と浅草公園の完成
  三 凌雲閣が建てられる──登高遊覧施設の系譜
    海女のハダカ人形と佐竹っ原の大仏
    富士山縦覧場
    電気による明かりの開化
    大阪における登高観覧施設
    花やしきの奥山閣
  四 凌雲閣の建設──基礎をつくり煉瓦を積み上げる
    凌雲閣十二階の経営者たち
    衛生技師ウィリアム・K・バルトン
  五 エレベーターと美人写真投票と自殺者
    洗い髪おつま
    明治二七年の大地震と凌雲閣の修理
  六 関東大震災と十二階凌雲閣

第四章 十二階凌雲閣の記憶と記録
  
喜多川周之 著作および活動の目録
あとがき
索引

内容説明

明治・大正時代の東京スカイツリー「浅草十二階」と、盛り場に集う有名無名の群衆。パノラマ的視界を現出させた、当時のめざましい高層建築、日本初のエレベーター、初めての美人コンテスト、そして関東大震災による倒壊。話題に欠かない凌雲閣十二階の消長が、日本近代の諸相、人々の好奇心や欲望を鮮やかに照らし出す。

目次

第1章 塔の視覚と想像力―浅草公園・十二階凌雲閣(思い出となればなつかし―凌雲閣を見上げつつ;「エレベートル」を以て縦覧人を昇降し―高みからの見物;昔見し凌雲閣の百美人―写真による比較と選別;垂直に立ち上がった煉瓦街―勧工場という商品空間;十二階は始末におえなくて―高塔の黄昏;どこの魔法使いが建てましたものか―俯瞰と仰望と望遠鏡;空間の想像/都市の表象―虚焦点としての十二階)
第2章 民間学者としての喜多川周之(ある郷土史家の死;十二階崩壊以前―大震災までの少年の日に;十二階崩壊以後―石版画工としての修業から;方法としての地図―資料の空間の見取り図;民間学の視点から)
第3章 「十二階凌雲閣」問わず語り(浅草寺奥山における「公園」の誕生;浅草公園の「新開地」六区の開発;凌雲閣が建てられる―登高遊覧施設の系譜;凌雲閣の建設―基礎をつくり煉瓦を積み上げる;エレベーターと美人写真投票と自殺者;関東大震災と十二階凌雲閣)
第4章 十二階凌雲閣の記憶と記録

著者等紹介

佐藤健二[サトウケンジ]
1957年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科教授。社会学博士。専攻は、歴史社会学、社会意識論、社会調査史、メディア文化など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

トラミーケ

1
やや高価な学術書だが図版満載で読みやすく資料的価値もある。江戸から続く明治・浅草の社会の動きがよく分かる。2016/01/29

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