出版社内容情報
カスハラから従業員を守るために企業が「今やるべきこと」とは
カスタマーハラスメント(カスハラ)が増加傾向にある現状を踏まえ、2025年に至って、事業主にカスハラ対策を義務付ける内容の改正労働施策総合推進法がついに成立。カスハラ対策は、企業が外部の不当な圧力から従業員を守るためのものであり、労使双方にとって非常に重要な取組みです。他方で、カスハラに関しては、カスタマー側による適正な権利行使との区別が難しく、また様々な法律が関わることもあり、法務・実務的対応には困難が伴います。本書は、実際に改正された法内容に基づいて、企業が実務対応として実際にやらなければならないことにフォーカスし、想定しておくべきリスクとその対応方法、対応すべき事柄、現場教育で用いるべき事例等が一冊でわかる、第一線の実務家・研究者らによる決定版。実際の著名企業等によるカスハラ対策の取り組みを紹介するパート(第5章)も要注目です。
【目次】
第1章 カスハラに関する改正法の概観
第2章 カスハラと関連する法令
第3章 企業の措置義務および各関係者の対応
第4章 カスハラ行為類型別の対応方法
第5章 企業による実際の対応方針例
終 章 おわりにーーカスハラの法規律の特色
座談会 カスハラへの法的対応と企業の具体的対応を展望する〔倉重公太朗・桂義明・新村響子・日原雪恵・山川隆一〕
【詳細目次】
第1章 カスハラに関する改正法の概観
第1節 法改正の背景・経緯
1 社会問題としてのいわゆる「カスタマーハラスメント」の増加
2 カスハラ対策に関する従前の議論
3 労推法の改正およびカスハラ防止指針の策定
第2節 カスハラに関する改正法および指針の概要
1 カスハラに関する改正労推法の規定の概要
2 カスハラ防止指針の概要
第3節 使用者の民事責任に関する裁判例の状況と2025年改正法の影響
1 問題となりうる法律構成(安全配慮義務等)
2 裁判例の状況
3 裁判例を踏まえた使用者の民事責任に関する留意点
第4節 残された課題
第2章 カスハラと関連する法令
第1節 カスハラとは何か
1 カスハラに関する法令等の定義
2 カスハラに該当するかは事業者の判断
第2節 カスハラ該当性に関する考え方
1 はじめに(本節の目的と構成)
2 法令上の定義(三要素の枠組み)
3 法律上の重要概念解説
4 「カスハラ・基本的考え方」――2軸4象限のマトリクス
5 カスハラ判断の相対性(サービスレベル論)
6 正当なクレームとカスハラの区別
7 「言動の内容」が許容範囲を超える類型
8 カスハラ該当性の認定と、使用者の安全配慮義務違反の関係性
9 判断に迷ったケースの組織的対応――「常識」と「価値観」のギャップを埋める仕組み
10 東京都条例上の定義との相違
11 小括――現場での判断フロー
第3節 カスハラに関連する法令
1 総論
2 カスハラ行為の刑法における犯罪該当性
3 消費者法
4 障害者差別解消法
5 独占禁止法・取適法・フリーランス法
第3章 企業の措置義務および各関係者の対応
第1節 総論
1 事業主内部との関係でとるべき対応
2 行為者へ向けた対応
3 労働者による対応
4 労働組合による対応
第2節 事業者の内部対応①――事業主の方針等の明確化およびその周知・啓発
1 指針上の要請
2 ①事業主の方針等の明確化および労働者への周知・啓発
3 ②対処内容の策定および労働者への周知
4 事業主に求められる継続的対応



