出版社内容情報
〈分断〉の諸相をさぐり、処方箋を追求する15篇
トランプ現象に象徴されるリベラル-保守の政治的分極化、社会の多様化に伴うジェンダーや人種などアイデンティティをめぐる対立の激化、これらに拍車をかけるフィルターバブル――。現代の世界を象徴する「分断」は、いまや「上級国民」といったスラングがすっかり定着し、大災害からの復興政策やコロナ禍における給付金をめぐっても種々の分断線が浮かび上がった日本にとっても、決して対岸の火事ではありません。そこで本書は、国民の統合や再配分の問題に深く関心をもつ憲法学を中心に、多様な「分断」を描き出し、それらがもたらす諸問題を、具体的処方箋も示しつつ多角的に考察。「分断」問題に新たな視座を提供する一冊です。
目次
第1部 “分断”と民主主義(アイデンティティ政治がもたらす分断―“契約国家アメリカ”のゆくえ;分断化する「中央」と「地方」―憲法の視点から改めて考えてみたいこと;サイバー空間における分断―インターネトによる民主主義の新たな可能性と民意の分断)
第2部 “分断”と人権の諸相(新型コロナ対策における分断―日本型対策の諸問題;社会の分断がもたらす人権の「武器化」―マイノリティの権利の観点から;〈多文化主義による分断〉と多様性の管理―カナダにおける合理的配慮を中心に;共同体の分断と関係性の再構築―「結社による自由」の可能性)
第3部 “分断”と立法・政策(職業・分断・憲法学―コロナ禍における性風俗業への持続化給付金不給付から考える;政治の分極化と外交政策―米国の対北朝鮮・イラン核兵器不拡散外交の振幅;「記録:がつなぐ「分断」―「過去、現在、未来をつなぐ国の重大な責務」としての「記録」;行政法規をめぐる分断についての一考察―ローカルルールの意義に着目して)
第4部 “分断”と社会(入会地紛争にみる差異と分断―人の移動の観点から金武町杣山訴訟を再考する;災害対策関係諸法制度の複雑さがもたらす分断―「社会的亀裂」を広げる要因の考察;事業継続とレジリエンス思考―災害による分断を乗り越える;小水力発電技術の分断と再生―地域産業創生の取り組み)
著者等紹介
新井誠[アライマコト]
慶應義塾大学大学院法学研究科後期博士課程単位取得退学。博士(法学)。現在、広島大学大学院人間社会科学研究科教授。専攻、憲法学
友次晋介[トモツグシンスケ]
名古屋大学大学院環境学研究科修了、博士(法学)。現在、広島大学平和センター・大学院人間社会科学研究科准教授。専攻、国際関係史
横大道聡[ヨコダイドウサトシ]
慶應義塾大学大学院法学研究科後期博士課程単位取得退学、博士(法学)。現在、慶應義塾大学大学院法務研究科教授。専攻、憲法学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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