内容説明
マチ弁から最高裁判事、そして再びマチ弁へ―半歩でもいいからひたすら前へ出る姿勢で民事裁判実務を突き詰め、裁判官とのコミュニケーションの中で勉強を続ける著者が、弁護士の面白さやプロフェッションとしての技術と心を真摯に語る。
目次
第1章 「マチ弁」の熱き思い
第2章 生い立ち
第3章 大学生活、そして就職
第4章 法曹の道へ「お気の毒に」と言われて
第5章 マチ弁が民事訴訟法の専門家になる
第6章 最高裁判所裁判官
第7章 お気の毒な弁護士を再び目指す
著者等紹介
山浦善樹[ヤマウラヨシキ]
1946年生まれ。一橋大学法学部を卒業後、銀行勤務を経て、1974年、弁護士登録。元日弁連会長の阿部三郎弁護士のもとで約10年働き、独立する。司法研修所教官、山梨学院大学・筑波大学・中央大学の法科大学院教授などを歴任し、2012年3月から最高裁判事。2016年7月に定年退官し、弁護士業務を再開
山田隆司[ヤマダリュウジ]
1962年生まれ。大阪大学大学院法学研究科博士後期課程修了、博士(法学)。現在、創価大学法学部教授
嘉多山宗[カタヤマツカサ]
1964年生まれ。一橋大学大学院博士後期課程単位取得退学。現在、弁護士・創価大学法科大学院教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ステビア
22
個人的には面白く読んだが、爺さんの長い自慢話だと思う人がいるのもわかる。2025/01/07
Yuichi Tomita
6
これは面白かった。 マチ弁から最高裁判所の裁判官になった珍しい経歴の弁護士が今までの経歴、考えてきたことについて述べたもの。 この手のものは最高裁判所に行ってからの仕事ぶりが中心であることも多いと思うが、この本は451ページのうち285ページ以降。それも弁護士会の候補に挙手するところから。 とはいうものの、最高裁判所での仕事ぶりもリアルに語られる。 対話形式で読みやすい(たまに質問者が叱責されているようなところもあり。) 資料を徹底的に調べる姿勢、依頼者を幸福にするための行動には頭が下がりました。2022/02/06
ちくわ
4
マチ弁から最高裁判事まで勤めた山浦善樹弁護士が自身のこれまでの人生を語る書籍。私の人生経験・職業経験の浅さから、本書の内容すべてを理解したとは言えないけども、本書では一つ一つのエピソードが非常に丁寧に語られており、著者が出会った人や出来事に対して誠実に向き合ってきたことがよくわかる。タイトルにもあるように、「スキル」と「マインド」というのが見えやすい語りになっており、一つ一つの仕事にここまで徹底してやるのか、と自身が反省させられた。押し付けがましいわけでもなく読みやすい。一人のマチ弁の生き方に魅せられた。2020/12/31
Praesumptio cedit veritati
2
マチ弁、最高裁判事になった弁護士のオーラルヒストリー。理論家肌で事実にこだわり、手を抜かず、人の心を慮る姿勢が、個々のエピソードを通じて示される。幼少時から学生時代の貧困ぶりは本書で初めて知った。個々のエピソードについて、詳細についても記憶を掘り起こして語る人であることを感じさせられる。2021/04/10
たぬき君
1
お気の毒な弁護士を目指して活躍する山浦弁護士の一代記。マチの弁護士から最高裁判所の裁判官になった弁護士だが依頼者と一緒に考えて汗をかき解決する弁護士であろうとする姿勢に感動した。2022/09/12