出版社内容情報
民事手続法の各分野における現代的課題につき学理的に強固な基盤の上に解決の道筋を示す!●民事手続法の各分野における現代的課題につき学理的に強固な基盤の上に解決の道筋を示す!
民事訴訟、人事訴訟・家事事件、倒産処理、民事執行・民事保全など、民事手続法全般にわたり数々の秀でた業績を残してこられた徳田和幸先生の古稀をお祝いする論文集。
比較法と立法史研究の厚い基盤の上に展開された徳田先生の解釈論は、現代的課題を解決するための道筋を示すものとして、大きな影響力を持ち続けています。その薫陶を受けた、わが国の民事手続法学を代表する第一線の研究者46名が、現代的課題に挑み、珠玉の論考を寄稿した注目の論集です。
■第1編 訴訟の当事者
当事者特定責任の諸問題〔上田竹志〕
当事者適格の機能領域〔本間靖規〕
民事訴訟法29条の適用効果と法人格のない社団の当事者適格〔堀野 出〕
通常共同訴訟の目的と共同訴訟人独立の原則の意義〔日渡紀夫〕
共同訴訟的補助参加の課題〔長谷部由起子〕
共同訴訟的補助参加人の訴訟行為について〔福本知行〕
片面的独立当事者参加の訴訟構造〔鶴田 滋〕
■第2編 訴えの利益・重複訴訟
確認の利益と対象適格の関係について〔越山和広〕
重複訴訟の制限と相殺の抗弁についての判例の変遷〔堀 清史〕
■第3編 訴訟の審理
民事訴訟における主張事実〔酒井 一〕
法的観点指摘義務の類型化についての一試論
――当事者権の保障に着目した釈明権行使の類型化の一端として〔園田賢治〕
裁判官によるインターネット情報の収集について
――ドイツ法における「顕著な事実」をめぐる議論を中心に〔?田昌宏〕
私文書の真正の推定における証拠法則の再検討〔名津井吉裕〕
文書の「所持」および「所持者」概念について〔林 昭一〕
株主代表訴訟と文書提出命令
――神戸地裁平成24年5月8日決定を契機として〔中島弘雅〕
■第4編 訴訟の終了・判決とその効力
訴訟終了判決に関する一考察〔坂田 宏〕
簡易裁判所における「訴え提起前の和解」へのアクセスに関する覚書〔川嶋四郎〕
一部認容判決に関する総論的覚書〔畑 瑞穂〕
ドイツ民事訴訟法における一事不再理について〔八田卓也〕
訴訟物と確定判決の遮断効をめぐる一考察
――矛盾関係としての択一的関係および牽連・依存関係〔堤 龍弥〕
口頭弁論終結後の承継人への既判力拡張論の現状〔加波眞一〕
詐害行為取消請求訴訟の判決効に関する若干の検討〔勅使川原和彦〕
外国判決を承認する義務?
――国際私法に対する人権の影響の一側面〔中西 康〕
■第5編 上訴・再審
不利益変更禁止原則の趣旨をめぐる若干の考察〔垣内秀介〕
類似必要的共同訴訟と上訴〔菱田雄郷〕
第三者による再審の訴えについて〔岡田幸宏〕
第三者による再審における詐害性について
――明治23年民事訴訟法483条の詐害再審を中心に〔青木 哲〕
■第6編 家事・相続関係事件
家事事件手続法における裁判所と当事者の役割〔杉山悦子〕
家事調停不成立後の家事審判への移行〔山田 文〕
家事審判の既判力〔渡部美由紀〕
医療ネグレクトと審判前の保全処分〔我妻 学〕
遺産分割審判における前提問題の処理に関する一試論〔今津綾子〕
遺産分割の前提問題と訴訟手続の保障
――具体的相続分確認の適法性について〔山本 弘〕
共同相続人間の所有権紛争訴訟の訴訟物と既判力に関する一考察〔笠井正俊〕
■第7編 執行・保全
預金債権の探索的差押え〔内山衛次〕
面会交流の間接強制に関する若干の考察
――東京高決平成26年3月13日および福岡家審平成26年12月4日を手掛かりに〔大濱しのぶ〕
形成訴訟における係争物の譲渡
――競売請求訴訟(区分所有法59条)と区分所有権の譲渡〔日比野泰久〕
仮の地位仮処分における保全の必要性について〔萩澤達彦〕
■第8編 倒産手続
人事訴訟手続(離婚事件)と破産手続の開始
――財産分与を例に〔山本克己〕
破産債権の概念について
――「将来の請求権」の再定義の試み〔山本和彦〕
優先権の代位と倒産手続再考
――裁判例から考える残された問題点〔杉本純子〕
破産財団と自由財産をめぐる立法政策と課題〔佐藤鉄男〕
対抗要件を欠く担保権の実行と偏頗行為危機否認〔中西 正〕
個人再生手続における清算価値の基準時〔高田賢治〕
オーストラリアにおける個人倒産手続の枠組みと近時の改正の動向について〔金 春〕
ESUGによるドイツ倒産法の改正とドイツ法からみた私的整理の多数決化〔水元宏典〕
【徳田和幸先生略歴・著作目録】
山本 克己[ヤマモト カツミ]
笠井 正俊[カサイ マサトシ]
京都大学大学院法学研究科教授(2016年3月現在)
山田 文[ヤマダ アヤ]
内容説明
学理的に強固な基盤の上に現代的課題の解決への道筋を示す!民事手続法分野の多岐にわたる手続について数々の秀でた業績を残してこられた徳田和幸先生の古稀を祝し、わが国を代表する第一線の研究者46名が、批判的精神をもって真摯に現代的課題に迫る。
目次
第1編 訴訟の当事者
第2編 訴えの利益・重複訴訟
第3編 訴訟の審理
第4編 訴訟の終了・判決とその効力
第5編 上訴・再審
第6編 家事・相続関係事件
第7編 執行・保全
第8編 倒産手続