出版社内容情報
医薬品を安全かつ適切に使用するための法システムを提示! 日本が直面している課題に示唆を与える、医薬品関係者必読の一冊。●医薬品を安全かつ適切に使用するための情報伝達のあり方を探る!
医薬品の開発は日進月歩で進んでいます。効能が強い処方箋医薬品は、私たちの病気を治しもしますが、有害な副作用をもたらすこともあります。臨床実験や患者による服薬などによるその医薬品についての情報なくして、安全性は確保できません。
本書は、アメリカにおける処方箋医薬品を安全かつ適切に使用するという目的達成を阻む問題群についての法的課題を析出し、その課題を解決するための対応策を、情報伝達のあり方に焦点をあて提示しています。わが国が今、直面している同様の課題に対して具体的な示唆を与え得る、医薬品関係者、必読の一冊。
はじめに─本書の主題と意義
序章 医薬品をめぐる法的枠組み─食品医薬品及び化粧品法以前
? 医師患者関係をめぐる規律
? 医薬品をめぐる規律
1章 20世紀中期における医薬品規制の展開
? 食品医薬品及び化粧品法(Food,Drug,and Cosmetic Act)の成立と発展
? 製造物責任法の発展と処方箋医薬品の例外法理
2章 患者への情報伝達と知識ある媒介者の法理
? 医師患者関係における情報伝達の不備
? 患者向けラべリングの制度化の試み
? 知識ある媒介者の法理と患者への情報提供
? 知識ある媒介者の法理の意義
? 薬剤師の権限と警告義務
3章 副作用情報の獲得・伝達と行政・民事規律の変化と協働
? 副作用情報の事後的な発覚
? 販売後の警告義務とFDCAの規律との不整合
? 行政規制の性質の転換と民事規律との競合と協働
4章 プロモーション活動と多層的規律の生成
? 医師に対するプロモーション活動とその弊害
? FDAの行政規律と民事法的規律の限界
? 情報伝達の事前規制と営利的言論の自由の壁
? 行政規律の転換─医学論文の質の向上に関する制度の発展
? 利益提供に関する新たな規律─刑事訴追と自主規制の促進
? プロモーション活動における多層的な規律
5章 プロモーションの新たな形態─患者向け広告
? 患者向け広告─何が問題といわれているのか
? FDAによる対応
? 患者向け広告と知識ある媒介者
? 知識ある媒介者の意義
6章 投薬医療における多面的コミュニケーションの生成
7章 日本における薬事規制の変遷とアメリカ法の示唆
? 薬事規制の誕生と性格─明治維新から第2次世界大戦まで
? 薬事法の成立と戦後初期の状況
? 1960?1970年代の大規模訴訟と行政・民事規律の変化
? 医師への情報提供に関する認識の深化と裁判例
? 血液製剤をめぐる被害と薬事法の規律強化
? 患者に対する情報提供の展開
? 民事規律の発展と残された課題
? プロモーション活動に対する規律の発展
結語に代えて─日本における法の展開とアメリカからの示唆
【事項索引・判例索引】
秋元 奈穂子[アキモト ナオコ]
内容説明
医薬品を安全に使うための情報伝達のあり方を探る!医薬品の安全かつ適切な使用を阻む問題群をめぐる法的課題を析出し、その課題解決のための対応策を、情報伝達のあり方に焦点をあて提示した注目の一冊。
目次
序章 医薬品をめぐる法的枠組み―食品医薬品及び化粧品法以前
第1章 20世紀中期における医薬品規制の展開
第2章 患者への情報伝達と知識ある媒介者の法理
第3章 副作用情報の獲得・伝達と行政・民事規律の変化と協働
第4章 プロモーション活動と多層的規律の生成
第5章 プロモーションの新たな形態―患者向け広告
第6章 投薬医療における多面的コミュニケーションの生成
第7章 日本における薬事規制の変遷とアメリカ法の示唆
著者等紹介
秋元奈穂子[アキモトナオコ]
1980年東京都生まれ。2003年東京大学法学部私法学科卒業。2004年東京大学法学部政治学科卒業(本学士)。2006年東京大学法科大学院修了。2008~2015年ビンガム・坂井・三村・相澤法律事務所弁護士。2012年Washington University in St.Louis LL.M.修了。2014年ニューヨーク州弁護士登録。2015年東京大学博士課程修了・博士(法学)。2015~2016年日本医療研究開発機構。現在台湾国立交通大学科技法律学院助理教授・弁護士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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