内容説明
「平等」とは、一方が他方を支配したり排除したりせず、人々が対等な関係性で相互行為をすることによって特徴付けられるべきという構想のもと、「格差」「貧困」「差別」「ジェンダー」といった事例に明確な答えを与える、期待の新星、デビュー作。
目次
第1部 分配的平等主義の批判的検討とその関係的契機(ロールズの平等主義的正義構想とその批判的検討;センの平等主義的正義構想とその批判的検討 ほか)
第2部 関係的平等主義の擁護(アンダーソンによる「分配的平等主義」批判とその検討;アンダーソンの関係的平等主義の検討とその洗練化)
第3部 関係的平等主義に対する外在的批判とそれへの応答(水準問題―充分主義への批判;指標問題―潜在能力アプローチへの批判 ほか)
第4部 関係的平等主義とリベラル・デモクラシー(関係的平等主義とその制度構想;関係的平等主義と法の下の平等 ほか)
関係的平等主義とこれからの課題
著者等紹介
森悠一郎[モリユウイチロウ]
1988年東京都生まれ。現職、立教大学法学部法学科助教。2013年東京大学法学部第1類(私法コース)卒業。同年東京大学大学院法学政治学研究科助教。2017年東京大学大学院法学政治学研究科附属ビジネスロー・比較法政研究センター特任講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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すずき
2
関係的平等論についてのGOD本。分配/関係的平等論の間でそもそも「平等」って言葉で指してるものも、正当化の基礎付けも違うってのを丁寧に整理。Andersonの議論の中で切り捨てる部分と継承する部分を分けつつ、関係の対等性へのコミットから内在的に潜在能力批判、充分主義批判に応答。不正義の分類も整理が丁寧。随所で井上達夫へ言及し、関係的平等論と井上の立場を整合的に理解する方向性で後継者!って感じ。著者も運(分配的)平等論批判は射程外って言ってるし、両立論的構想もいけそうだなあとも思うけど詳しくは分からない。2019/02/27
inu
0
なんとなくふわっとした印象だった関係的平等主義を、アンダーソンの議論を中心にクリアにまとめかつブラッシュアップしており良いんですが、どうもわたしは関係的平等主義にはあまり惹かれないのだよな。総論的にはおっしゃる通りだと思うのだけど。2020/10/08
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