内容説明
自らの霊能を頼りに神仏を拝んでは悩める人々に応えてなりわいを立ててるマチの祈祷師とその信者の内面世界を、共感を込めたまなざしで透視した出色のルポルタージュ。
目次
カミに見込まれる―霊能祈祷師の人生
カミに使われる―霊能祈祷師の活動
霊障から逃れて―信者たちの証言
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夜間飛行
81
本書で取りあげる拝み屋さんはみな女性で、苦労された方が多い。船越富起子さんのように霊能を探求する方もいれば、石井雪野さんのように周りの圧迫で仕方なく始めた方もいる。神仏の縁だけでなく俗世の縁も大事で、貧や病を背負ってきたのもそのためかも知れない。支えてくれる子がいれば無理解な親もいる。相談に来る人、会の運営を手伝う人…。しかし人の心は当てにならないのが世の常だ。不動明王や龍神を感得する森下永敏さんが命がけの断食行をしている窟の外で、信者が仲間割れをしているエピソードは、彼女達の置かれた状況を如実に物語る。2018/10/21