内容説明
生きることを“哲学”する初学者のための倫理学入門。読者の問題関心に寄り添いながら、平明な記述に徹した「入門の入門」。読み進むうちに、基礎から現代の重要テーマまでが自然に理解できる。さらに学びたい人のための「読書案内」、知識の整理に活用できる索引つき。
目次
1 倫理学とは
2 幸福
3 義務
4 徳
5 道徳判断
6 道徳
7 自己と他者
8 個人と社会
9 正義、自由、平等
10 医療
11 環境
12 ビジネス
著者等紹介
柘植尚則[ツゲヒサノリ]
1964年大阪府生まれ。1993年大阪大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。現在、慶應義塾大学文学部准教授。専攻は倫理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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うえ
4
「ムア自身は、「善い」を定義できない、と考えています。そして「善い」を定義しようとする誤りを、自然主義がしばしば犯すことから、「自然主義の誤り」と呼んでいます…ムアの立場は「直観主義」と呼ばれています。ただし、ムアが言いたいのは、道徳判断は証明できない、ということであって、それが何か特別な能力によって知られる、ということではありません」「イギリスのマッキーによると、道徳的な性質が客観的に存在するとすれば、それは、善のイデアのような、特異な実体であり、また、それを知るためには、特別な能力が必要になります」2016/11/26
そらパパ
3
経済学は「合理的な愚か者」に囚われている2019/09/12
tobi
3
倫理学の基本をザッと見渡す感じ。かなり読みやすかったけど、哲学、政治思想、社会問題に関心があると、より一層読みやすいかも。倫理学の入り口的な本かな?2017/02/11
gtndntnd
2
倫理学の入門書。一般教養の授業の教科書になりそうな本。なるべく平易な言葉で説明しており、わかりやすく書かれている。2019/08/29
令和の殉教者
1
倫理学の初歩的な概説書。1章で倫理学の大まかな見取り図を描いた後、規範倫理学(2〜4章)、メタ倫理学(5〜6章)、社会哲学・他者論・正義論(7〜9章)、応用倫理学(10〜12章)の各論に入る。平易な記述が心がけられており、個々の思想・主義の共通点や相違点が簡潔にまとまっている。また、全12章という構成も、半年15回弱の大学の講義での使いやすさが感じられる。文献案内も充実。一方で、特に応用倫理学以外の章は具体的な例示や思考実験に乏しく、用語の整理に終始している印象を受けた。良くも悪くも教科書的だ。2019/03/14