シリーズ生きる思想
感情の猿=人

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  • サイズ B6判/ページ数 357p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784335000522
  • NDC分類 489.9
  • Cコード C1395

内容説明

恐怖、嫉妬、怒り、悲しみ、他人の感情を人は本当に理解できるのだろうか。

目次

経験の直接性から―道ひらきのために
第1部 猿(崖の上のハレム―マントヒヒの所有と嫉妬;サルから見た世界―ベルベットモンキーの恐怖と警戒;表情をおびた身ぶり―少しひらかれた道;森の神の興奮―チンパンジーの現象学)
第2部 人(怒りと首狩り―感情の解釈学;言説の政治学―感情の文化的構築と身体化;感情生活の弁証法―グイ・ブッシュマンの性と愛;仲間であること―感情と言語行為)
感情、共在のエンジン―道はひらかれたか

著者等紹介

菅原和孝[スガワラカズヨシ]
京都大学総合人間学部教授。1949年東京生まれ。京都大学理学部卒。同大学院理学研究科博士課程修了。北海道大学文学部助手、京都大学教養部助教授を経て1997年より現職。専攻は人類学。ニホンザル、エチオピアの雑種ヒヒの研究から出発し、1982年より狩猟採集民グイ・ブッシュマンの調査に従事。研究テーマは身体、相互行為、コミュニケーション。感情論に続き、動物論、恋愛論を構想中
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

★★★★★

6
霊長類研究から人類学研究へと転じた著者は、「感情」を間主観的な行為空間における表情を帯びた身振りとして定義する。そうして、脳や心に閉じ込められたものでなく仲間性の上に開示される現象として感情を、チンパンジーから人間へと至る事例を介して記述してゆく。自然/文化、普遍/個別、肉体/精神といった西洋的二元論を解体するのみならず、霊長類学から人類学への橋渡しをも試みる「フィールド哲学」の名著でした。2011/10/24

カネコ

0
2010/05/03

山田

0
大学を卒業して10年ぶりに読み返したが,やっぱり難しい。メルロ・ポンティ読みたい。/感情とは「仲間である」という社会性の根源的な条件と不可分に結びついた「表情を帯びた身ぶり」である。捕食者に食われるという原始的な恐怖に直面したときでさえ,猿たちが警声を発することは「観客効果」から切り離せないのである。人間の社会生活の根幹をなす「言語行為」それ自体が仲間であることと切り離しては理解し得ない。2022/01/12

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