出版社内容情報
アントワーヌ・コンパニョン[コンパニョン アントワーヌ]
ジュリア・クリステヴァ[クリステヴァ ジュリア]
國分俊宏[コクブ トシヒロ]
内容説明
二十世紀文学の最高峰と言われる、プルースト『失われた時を求めて』。この大作に挑戦するには、まばゆい日差しのもと、ゆったりとした時間が流れる夏休みが最適だ―。本書は、現代フランスを代表するプルースト研究者、作家などが、それぞれの視点から『失われた時を求めて』の魅力をわかりやすく語った、プルースト入門の決定版である。
目次
第1章 時間(アントワーヌ・コンパニョン)
第2章 登場人物(ジャン=イヴ・タディエ)
第3章 プルーストと社交界(ジェローム・プリウール)
第4章 愛(ニコラ・グリマルディ)
第5章 想像界(ジュリア・クリステヴァ)
第6章 場所(ミシェル・エルマン)
第7章 プルーストと哲学者たち(ラファエル・アントーヴェン)
第8章 プルーストと芸術(アドリアン・グーツ)
著者等紹介
國分俊宏[コクブトシヒロ]
1967年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。青山学院大学国際政治経済学部教授。1996~2000年、フランス政府給費留学生としてパリ第三大学に留学、文学博士号取得。専門は現代フランス文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
SOHSA
38
《図書館本》プルースト『失われた時を求めて』と併読。単なる入門書でも解説書でもなく、プルーストを読む上での親切なガイド役といった印象の良書だった。まさに夏の夜にプルーストの世界に浸り、『失われた時を求めて』の一文一文をゆっくりじっくりとかみしめ味わうすべが著されている。図書館で借りてきた本ではあるが、是非一冊購入して手元に置いておきたい。『失われた時を求めて』の魅力が、余すところなくこの本に詰まっている。2017/05/13
かふ
28
去年の夏に読もうと思ったのだがひと夏過ぎてしまい、今日読み終わった。テーマごとのトピックが8章。「時間」とか「登場人物」とか「場所」とか。それぞれの章に一人の批評家や作家が『失われた時を求めて』について語る。予習用よりは復習用という感じで要領よくまとめてあるので記憶を呼び覚ますことが出来る。『失われた時を求めて』がそういう小説だから。各章の終わりに2,3ページの長い引用も読んでいた時を思い出す。これラジオ番組だったのか。長い引用を朗読したとは俳優なのかな。それを思うだけでうっとりしてしまう。2021/08/06
やいっち
24
感想は後日、書きたい。好著だとだけ今は言っておく。感心したのは、本書の編集者が各章の冒頭に要約というか紹介を付しているのだが、僅か数行の文章が素晴らしいってこと。誰が書いているのか、あとがきで知ったのだが、これら各断章を読むだけでも面白い。2017/05/04
呼戯人
20
フランスのラジオ番組を再構成したプルーストの入門書。 ラジオ番組なので非常にわかりやすく書かれている。プルーストのことをほとんど知らない私のようなものでも、プルーストに関する基本情報をたやすく手に入れることができる。ジュリア・クリステヴァは、いつものように鋭い視点でプルーストを分析しているが、ラファエル・アントーヴェンという哲学者がプルーストと哲学者との係りを分析しているエッセイがおもしろった。有名なベルクソンばかりでなく、モンテーニュやショーペンハウアー、とりわけニーチェとの係りも深いことを知って嬉しい2018/08/15
Christena
16
プルーストを研究している8人が、それぞれの切り口で「失われた時を求めて」の魅力について語った本。本文の引用も長いので、読んだことがない人にも、この作品の魅力が伝わるのではないかと思った。この本で引用されている部分は記憶に残っているものばかりで、あの本を読んでいる時に感じたことを思い出した。8人の語りを聞いていたら、もう一度最初から全巻読んでみたくなった。きっと何度読んでも新しい発見がありそう。2017/04/15