内容説明
旅と英国ミステリを愛する愉快な夫婦の地獄・極楽何でもありの底抜け旅行記。詳細な英国各地の古書店ガイド付き。
目次
そして旅は始まった
さらに書店巡りも始まった
第1章 街中が現場だ!―ロンドン
第2章 マダム・マーダーがお待ちかね―オックスフォード
第3章 アガサ・クリスティー中途半端―デヴォンシャー南部
第4章 修道士は見た!―ウェールズとシュルーズベリ
第5章 マダム・マーダーと足腰の危機―コーンウォール
第6章 相棒と警報―ケンブリッジとイースト・アングリア
第7章 墓地に立つオタク―ダブリンとロンドン近郊
第8章 旅人ファンタスティック―ミステリ旅・技術編
そして旅は続く
著者等紹介
若竹七海[ワカタケナナミ]
東京生まれ。立教大学文学部史学科卒業。1991年、連作短編集『ぼくのミステリな日常』でデビュー。凝りに凝った構成と鮮やかな展開で新人離れした力量を発揮し、注目を浴びる
小山正[オヤマタダシ]
1963年東京生まれ。慶応義塾大学推理小説同好会OB。会社勤務のかたわら、ミステリ、映画のコラムや解説を手がける
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
星落秋風五丈原
28
英国に旅行するミステリファンにはお徳なガイドだと思います。一冊買われてもいいかと思います。 著者の失敗談、いかにもマニアらしい「ごっこ遊び」などの楽しい?話も収録されていて、貸出期間の2週間があっという間に過ぎてしまいました。でも一番笑ったのはオスカー・ワイルド氏のお耽美ポーズの銅像。 イラストは若竹氏著作でもお馴染みの杉田比呂美氏。コリンデクスター原作の「モース警部」「修道士カドフェル」「バーナビー警部」の話など。2002/08/16
タカギ
22
最高に良い本。若竹先生が大好きだし、その夫の小山正氏も博覧強記で古書好きの変な人。翻訳家のマダム・マーダーこと山田順子さんもいい味を出してる。そして英国でのミステリ散歩とショッピング。私はあんまり景色を楽しみたい人ではないけど、古書店巡りは惹かれる。先立つものがたくさん必要だけど。なので、古本の街でトランス状態になった小山氏が面白かった。他に思わず噴き出すトラブルも。次々と繰り出される英国ミステリの数々に、とりあえずセイヤーズ、クロフツ、P・D・ジェイムズは読みたい。20年ぶりに旅行記出してほしいな〜。2021/11/30
ぼんくら
13
若竹七海と執事こと夫小山正のミステリ道中。道中、でてくるわでてくるわ、イギリスミステリってこんなにあったのねと驚きつつ、若竹さんと相棒小山、マダム・マーダーこと順子さんとの珍道中を堪能しました。若竹さんご紹介の本はどれも面白そうで、でもチェックするのはやめときました。読めそうもないから・・・。とりあえず、クリスティは再読したいと決意を新たにしました。2012/04/30
timeturner
9
ミステリーの舞台や作者の足跡を追って英国周遊だなんて、なんて羨ましい旅の形。レンタカーを使わず公共交通機関だけで移動する苦労にも共感。これ、2002年に出ていたのか。もっと早く知っていれば! それにしても、若竹さんの読書家ぶりと、相棒さんの古書マニアぶりには驚くしかない。名前が出た作家や作品には若竹さんの巧みな紹介文がついているので読みたい気持ちがむくむく湧いてしまい、読み終えたときには本のてっぺんに雨後の筍のように付箋が生えていた。2024/06/24
Cresson
9
若竹七海・小山正夫妻による英国ミステリ旅行記。年に一度くらい読み返しているお気に入りの本。英国ミステリというと格調高そうだが、写真も多く、何よりハチャメチャなエピソードばかりで面白い。小山氏による英国書店漫遊記は字も細かくマニアックな内容だが、本好きなのがすごく伝わってきて毎回頑張って読んでしまう。引用された本の中に読んだことがある本があると、おお!とにんまりし、興味が湧いた本は思わず買ってしまうこともあるくらい私にとっては中毒性がある一冊。英国ミステリに興味がある人にはとにかくおすすめしたい。2018/04/30