アマゾンの倉庫で絶望し、ウーバーの車で発狂した―潜入・最低賃金労働の現場

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  • サイズ B6判/ページ数 344p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784334962272
  • NDC分類 366.023
  • Cコード C0036

出版社内容情報

イギリス人ジャーナリストが、アマゾンUKの倉庫での作業員、Uberのタクシー運転など最低賃金の仕事に自ら就いて潜入取材。

内容説明

英国で“最底辺”の労働にジャーナリストが自ら就き、体験を赤裸々に報告。働いたのはアマゾンの倉庫、訪問介護、コールセンター、ウーバーのタクシー。私たちの何気ないワンクリックに翻弄される無力な労働者たちの現場から見えてきたのは、マルクスやオーウェルが予言した資本主義、管理社会の極地である。グローバル企業による「ギグ・エコノミー」という名の搾取、移民労働者への現地人の不満、持つ者と持たざる者との一層の格差拡大は、我が国でもすでに始まっている現実だ。

目次

第1章 アマゾン(ルーマニア人労働者;懲罰ポイント ほか)
第2章 訪問介護(介護業界の群を抜く離職率;観光客とホームレスの町 ほか)
第3章 コールセンター(ウェールズ;「楽しさ」というスローガン ほか)
第4章 ウーバー(ギグ・エコノミーという搾取;単純な採用試験 ほか)

著者等紹介

ブラッドワース,ジェームズ[ブラッドワース,ジェームズ] [Bloodworth,James]
英国人ジャーナリスト。現地で影響力のある左翼系ウェブサイト“Left Foot Forward”の元編集者。大手紙インディペンデントやガーディアン、ウォール・ストリート・ジャーナル等にコラムを寄稿

濱野大道[ハマノヒロミチ]
翻訳家。ロンドン大学・東洋アフリカ学院(SOAS)、同大学院修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

absinthe

277
最底辺を書いた暴露本は少なくない。これもその一冊。こういう場所では働きたくないなぁという話が延々と続く。労働環境のほか、イギリスという国の底辺を示すさまざまな街の話も登場して興味深かった。イギリス、かつての大英帝国はもっと金持ちかと勝手に想像していたが。時代が進んで新たなビジネス形態が現れるごとに、底辺の生活は改善していくものと頑なに信じていたが、これを読むとその信念も揺らぐ。2020/01/17

えちぜんや よーた

112
日本語でも原題の「HIRED」をそのままタイトルにした方が良かったのでは。アマゾンもウーバーも苛酷な労働環境であることが分かった。ただ賃金不払い・残業未払い・偽装請負など他の会社にも当てはまる労働問題で、残念ながら両社に限ったことではないと思う。問題だらけの告発本のような体裁で、何か解決策があるかといえば特にない。読んだ人はスマホでワンクリックするときに後ろめたさが残るだけだろう。強いていうなら不本意な仕事に就かなくても済むように、日常生活に関わるコストを劇的に下げるイノベーションに期待するしかない。2019/07/28

R

103
イギリスの今を描いたレポートでした。実際に、貧困地帯と呼ぶような場所で働いて、その実情を書きとったものなのだけども、読むほどに辛くなるような内容ばかりでひどかった。ニュースで言葉だけよく聞く、イギリスの若者の失業率なんてのが、どういう状況で発生しているのかがよく理解できる。現代の世によみがえった労働争議の段階が見え隠れするようで、アマゾン、ウーバーという、表向き素敵なところが、いかに労働搾取しているか、でも、その上に今の世があるという事実に目がくらむ。日本も近くこうなるのだろうか。2019/09/02

TATA

84
英国人ルポライターによる労働者階級の実体験を語った一冊。作者はアマゾン、介護、コールセンター、ウーバーの世界に飛び込み、搾取される側の苦しみと歪な労働市場について述べる。結局便利すぎる社会は内部で働くものにしわ寄せをもたらし、家計の維持さえできない環境に堕していくということ。どれもよくできたディストピア小説のような心地悪さを感じます。日本は今の英国ほどひどくないとは思うが、そうはならないと断言できないのもまた事実。2019/06/16

Willie the Wildcat

83
3つの矛盾が頭に浮かぶ。企業の社会性vs.ヒトの生きる糧、自動化等先端技術vs.手動作業、そして、寛容性vs.弱者排斥。問われる人間としての尊厳。文化と資本主義のアイロニーの件が印象的。文化喪失による格差社会、目先の損得による現代の判断が、次世代に残すリスク。それぞれの事例で垣間見る心が荒んでいく過程が、真の問題点を描写。一方、”退屈の壁”に意欲が滲むのは、もれなく光。光が消えることなく、努力が報われる社会への変革が急務。政官はもちろんだが、財学も姿勢が問われる。 2019/05/12

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