出版社内容情報
山田美明[ヤマダ ヨシアキ]
翻訳
ウォルター・アルバレス[アルバレス ウォルター]
著・文・その他
内容説明
恐竜絶滅の謎(隕石衝突)を解明した地球科学者による壮大な科学エッセイ。
目次
第1章 ビッグヒストリーから見た地球と人間世界
第2章 ビッグバンから地球誕生まで
第3章 地球からの贈りもの
第4章 大陸と海洋を持つ惑星
第5章 二つの山脈の物語
第6章 古代の川の記憶
第7章 人間の体に刻まれた生命の歴史
第8章 大いなる旅路
第9章 人間という種の特徴
エピローグ これまでの歴史がすべて起こる可能性は?
著者等紹介
アルバレス,ウォルター[アルバレス,ウォルター] [Alvarez,Walter]
1940年アメリカ合衆国カリフォルニア州バークレー生まれ。地質学者。カリフォルニア大学バークレー校にて、地球および惑星科学の教授を務める。ノーベル物理学賞を受賞した父親のルイス・ウォルター・アルヴィレズとともに、隕石の衝突による地球上の生物(恐竜を含む)の大量絶滅の理論を発表したことで知られる
山田美明[ヤマダヨシアキ]
英語・フランス語翻訳家。東京外国語大学英米語学科中退(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アナクマ
34
7章_単細胞生物が多細胞化するのに30億年。簡単でも必然でもなかった。そして5億年前、敵から身を守るために骨や殻を持ち始めた。化石が増えるカンブリア紀の始まり。恐竜の栄えは1.3億年間。哺乳類の台頭は偶然。◉8章_ホモサピエンスの拡散は6万年前で「ほんの600年前まで世界は地域ごとに分かれていた」◉9章_人間は言語と道具、火を使う。火は、地球で光合成が始まり大気に酸素が行き渡りそして地上に ”燃えるもの“ が現れた4億年前に誕生した。人が使い始めたのは50万年前。青銅器や蒸気の利用も火があればこそ。2022/10/05
やいっち
30
「今あるこの世界を理解するには、物理学や化学を超えて、地質学や古生物学、生物学、考古学、天文学、宇宙学などの歴史科学の領域から人間の歴史へと目を向けるべき」という、ビッグヒストリーという発想。こうした試みは、まさに自分が求めていたもの。 学際の典型と言うべきか。こうした本を読んでいきたい。2018/03/02
アナクマ
27
1章_宇宙の全歴史を自在に眺めたい。任意の時間・空間に移動して、俯瞰で/顕微鏡で自由に観察することができたら、どんな世界観が得られるだろう…ときどき空想します(それができる存在を神と呼ぶのでしょう)◉その発想を “ビッグヒストリー” と名付けて地質学の立場から講義しているのが、白亜紀/恐竜時代を終わらせた隕石落下を解明した本著者です。宇宙誕生から現在までを文庫サイズで描ききるのは無理な話ですが、自然科学と人文科学が融合した幾つものトピック(まさにブラタモリ的な)語りに魅かれる一冊です。2022/10/22
Ayumi Katayama
16
お気に入りさんのレビューが印象にあり、図書館で見つけてすぐに持ち帰りました。「ビッグヒストリー」。宇宙と地球と生命と人類の歴史。個々を掘り下げるのではなく、全体を俯瞰する。例えば「地球における火の歴史」は大変に興味深い。「火」は人類の進化に欠かせないものだろうけど、地球上で発生したのはいつなのだろう。初期の地球には気体としての酸素はなかった。固体((Mg,Fe)2 SiO4)、あるいは水(H2O)だけ。当然に燃えない、火はない。気体酸素はバクテリアが光合成をするまで待たねばならない。それが25億年前。2018/04/29
乱読家 護る会支持!
9
宇宙誕生から現在までの138億年のビックヒストリー。 宇宙、地球、生命、そして人類の歴史は、「連続と偶然」によりもたらされた。。。 科学は、「再現性と法則の発見」と対象を細かく切り刻む「要素還元主義」。しかし、宇宙、地球、生命、人類の歴史は「統合」によってしか理解できない。。。 こんなビッグヒストリーの本は初めて読みました。読みやすく一気に読めました。ビッグヒストリーには、従来の科学的手法では解けない謎ばかり。仮説と空想の世界を楽しむ他はない。。。2018/07/18