内容説明
アメリカは上下差のない民主主義社会であるという神話を、われわれは40年間聞かされつづけてきた。だが、本書を通読すれば、日本では考えられない階級と階級意識が彼らの念頭から離れないことがわかるだろう。アメリカのファッションを追う人たちに、仕事などでアメリカ人と付き合う機会の多い人たちに、また、これからアメリカに旅行したり長期滞在したりする人たちに、本書は得難い情報を提供してくれるだろう。
目次
1 アメリカ社会のタブー
2 階級を解剖する
3 外見がものを言う
4 家、車、テレビについて
5 消費、レクリエーション、コレクション
6 精神生活
7 「話してごらんなさい、あなたの階級がわかるから」
8 上昇と下降、そして労働者階級への流れ
9 Xに脱出する道
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Yapuppy
4
作者は米国の非常に微妙かつ複雑な階級について魅力的な文章で実に明快に解説する。自由と平等の国にも階級というものが存在するものであると論じている。私も米国留学時に子供の無料ランチを申請しそうになったが巻末にある訳者のあとがきを見て思いとどまった。社会全体に流れる下流への容赦ない流れについて言及し、今日のウォール街周辺での格差是正を訴えるデモを予見しているともいえる。自分の才能を頼りに"劇場の裏口からそっと抜け出して"Xカテゴリーを目指すか普通に上層中流を目指すか、選択の余地があるというのはまだありがたい。2011/11/05
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